知らないうちに支払い義務が発生し、何の説明もない


  •  有償の契約であるにもかかわらず、契約義務が発生した瞬間に何の説明もないまま、義務が有効となる。
  • 契約時には口頭で受理され条件の確認がないのに、契約解除時には口頭ではダメで、証明書類が必要となる。
  • 契約解除時に証明書類が必要となるにもかかわらず、契約時に契約解除の条件について説明がない

気づかないうちに、こんな恐ろしい条件の契約が有効になっていたとしたら、どう思いますか? そして請求が届いたとしたら? 相手を訴える? おやめになった方がいい。相手は完全に合法で、しかも、NHKなんだから……。

払う、払わない、何かと物議を醸すNHK受信料。基本的には、放送法というものがあって、ある条件が整えば、支払を義務づけられている。

NHKは法的根拠について放送法(昭和25年5月2日法律第132号)を挙げて説明している。[2]
NHK受信料 – Wikipedia

これによると

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第126条第1項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

とある。

つまり

  • テレビを買ってアンテナにつないだ瞬間に「契約をしなければならない」

ということなのだけれど、購入からアンテナにつなぐまで、まったく契約義務についての説明はない。こんな恐ろしい契約あるかしら。ものを買って帰ったら継続して固定費を支払え、なんて、まるで詐欺じゃないか。

断っておくと、私は受信料の支払拒否などしたいと思わない。法律で決まってるんだから「払って当たり前」で、議論の余地はない。まして、NHKを実際観て利益を享受しているならなおさらである。
ただ、こんな悪法は改正すべきだ。それは間違いない。適当もいいとこである。そしてこの悪法にまつわる悪行の数々も、放ってはおけない。

近頃、知人の外国人の相談に乗ってNHKに電話した。訳もわからないまま支払(≒契約)をさせられたというのである。いくら法律で決まっているからといって、何をしてもいいわけではない。なにせ請求書の住所も間違っているので、事実関係を十分に確認しないまま契約をさせたのは間違いない。

私の主な論点としては

  • 契約成立時に、相手方が契約内容を理解していない場合でも、問題はないという見解か。
  • 契約を解除するには、受像設備を廃棄した証明が必要というのは本当か。どうやって証明するのか。(証明できなかったら一生払い続けるのか?)
  • 契約成立時に、契約解除の条件について説明があったか。
  • 「テレビはあるが部屋の中にアンテナが1本もない」場合は支払の義務があるのか。

以上の4点である。

まずは「NHKふれあいセンター」にかけ、その後、「池袋営業センター」に電話するよう依頼されたのでそうした。概ね、どちらの対応も同じであった。割と一貫はしているみたい。

■契約成立時に、相手方が契約内容を理解していない場合でも、問題はないという見解か。

これについては、どちらも「契約内容を理解して頂く必要はある」「こちら(NHK側)の手落ち。誠に申し訳ない」とのこと。
「NHKふれあいセンター」によれば「英語パンフレットなどで理解をお願いしている」とのこと。その後、私の住所宛に英語パンフレットを送ってくれるということだったが、届いた形跡がない。まぁ何かにまぎれて捨ててしまった可能性もゼロではないが。でも封書で届いたら気づくと思うけどな。

■契約を解除するには、受像設備を廃棄した証明が必要というのは本当か。どうやって証明するのか。(証明できなかったら一生払い続けるのか?)

「リサイクル法にそってリサイクルに出した際の控えを提示するようお願いしている」
コピーを紛失あるいは廃棄した場合はどうなるのか、聞いたところ「こちらから訪問させて頂き、テレビがないことを確認させて頂く」
わざと「立入検査ということか」と罠を張ってみた(警察ならぬNHKに立入検査の権限はない。違法行為)が、そこはやんわりと「お客様のご了承のもとで」とのこと。
「居室内にテレビが見えなかったらいいのか」という質問には「?」。繰り返して「テレビがないことを証明するには、押し入れから何から5mm刻みで調べる必要があるが、そうするのか」という質問には、苦慮の末「通常テレビのあるような場所を確認させて頂く」という苦しい回答。
譲渡した場合は? 「譲渡相手の名前、住所などを教えて頂き、確認する」

■契約成立時に、契約解除の条件について説明があったか。

「解除条件の案内はしていない(が問題はないと考えている)」とのこと。

■「テレビはあるが部屋の中にアンテナが1本もない」場合は支払の義務があるのか。

これは個人的な興味もあったので「個人的な興味として」と前置きして聞いてみた。私はゲームライター時代、実際「地上波を一度も受信したことのないテレビ」を持っていた。ゲーム機専用テレビである。「窓からテレビが見えた」という(失礼な)NHK徴収員に「ゲーム機にしか使ってない」そう言ったら、思いの外あっさり引き下がったのを覚えている。その頃は一人暮らしで、本当に、アンテナ線は室内に一本もなかった。

NHKふれあいセンターは「アンテナとテレビが揃えば契約をお願いしている」というものの、「部屋の中にアンテナ線が一本もない場合は?」という質問には「調べてみないとすぐには回答できない」との答え。ただし「ワンセグのケータイ、パソコンなどは受像設備とみなす」。
池袋営業センターは「その場合は契約の必要はありません」とのことだった。

 


だからちゃんと改正しろっつーの。

電話に出たお姉さんたちには、矢面に立って頂いたわけで申し訳ない。しかしながら、法律としてどうも要件がアヤシイことは確かだと思う。民法上の「契約行為」が必要とする要件はたぶん満たしていないのではないか。法律家じゃないから知らないけども。

もし本当に徴収をしたいのであれば、テレビ購入時に契約説明を義務づけるべきだし、契約解除の条件についても話をするべきだ。最近ではデジタル放送を受信するには受信料の支払いが必要、みたいな本当にせせこましいことをしているが、これだけはっきりした法律があるんだから、手順をきちんと踏めば、無用のトラブルも、風当たりも避けられると思う。

何度も言うけど私自身は払いたくないとか別になんとも思っていない。受信して受益するなら喜んで払う。法律があるのに支払いたくないというのは、ただのわがままというものだ。

ただ、一つだけ言えることがあるとすれば、NHKには再発防止の意識は全くないゼロだ。池袋営業センターに至っては、私の素性を確認することさえしなかった。

2015-06-11(木)追記

この判決は単なる契約書の偽造事件ではなく、視聴者の同意しない受信契約は無効だと裁判所が認めた点が重要だ。これは「契約自由の原則」という近代社会の根本原則で、双方が合意しないと契約は成立しないという当たり前の話だ。
–via NHKとの受信契約がなければ受信料を払う義務はない 受信料制度は廃止してNHKは民間の有料放送にすべきだ | JBpress(日本ビジネスプレス)

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