「いっこも」の正体。


20141007162503

うちの娘は1歳8ヶ月。目下全力で言語習得中である。「あっち行って」「いやだ」「ママがいい」など父親を迫害する語彙が特に充実しているもよう。

ところで彼女の語彙にはしばしば由来の不明なものがある。特に保育園で学習した歌や踊りは、親には判別不可能なものも多い。
両手を前に伸ばし、ワニのように縦に打ち合わせながら「かちて、かちて」と歌うのは、何を「貸して」もらうのだろうかと首を傾げていたが、自分の幼時のおぼろげな記憶をたどるにつけ、「かっちんこーかっちんこ」とかいう遊びがあったような気がしてきた。

もう一つ、彼女の語彙で面白いと思ったのが「いっこも」である。最初は「一個」を覚えたものかと思っていたが、彼女がこれを使う場面は、何らかの要求をする場面に限られる。しばらくして、これが「もう一個」の意味であることに気がついた。

誰かが彼女に「いっこも」と聞かせたはずはないから、彼女はおそらく「一個」と「〜も」からこの表現を生成したのだ。

…来た! ユニバーサル・グラマーだ!

知らない人のために説明しよう! ユニバーサル・グラマーとは、人間が生まれながらにして共通に持っている、言語の基本文法のことである。これは脳の論理構造に由来すると信じられており、ヒトがヒトの脳を持つ限り、国家民族を問わずあるという!
子どもたちはこの全能のユニバーサル・グラマーの中から、母国語に適した構造だけを選び取り言語習得するのだ!

信じられないことばかりだけど、嘘じゃないの嘘じゃないの本当なのよ。

その証左の一つと考えられているのが、幼児の言語習得時に外国語的な表現が発現する例だ。例えば英語で有り得ない関係詞の語順で話したりする。だがドイツ語などにはその語順が存在するのだ。つまり幼児は親から文法を学ぶのとは別に、脳内から文法を学んでいるらしい。

「いっこも」はどうだ? 英語だったら「one more 」、タガログ語だったら「isa pa 」か。日本語にはないが、外国語には実在する語順。彼女はいずれ、この全能なるユニバーサル・グラマーから離れ日本語を学ぶだろう。少々もったいない気もする。いつか人類は、ユニバーサル・グラマー準拠の万国共通語を作ったりしないもんだろうか。

3件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です