『女ともだち』一条ゆかり


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一条ゆかり的・派手な家族構成のお話……。
集英社文庫全2巻。
推薦者:ねっくさん


一条ゆかりは結構苦手意識があって、なんでかって言うと学生時代、友人が「すっげ面白いけん読んでぇな(注:その友人は岡山弁)」といって『砂の城』だか『デザイナー』だかを貸してくれたからである。

怖ぇかったのよ。まぢで。

まぁ時代的に古い作品だから肌に合わないってのもあるんだろうけど、ゴリゴリと登場人物を不幸に追いやるそのバイタリティについていけなかった。あたしゃ自分の作品で、登場人物を不幸にするとか、悲しくするとかってことはできるけど、登場人物をいじめることはできそうにない。そーゆートコに体力がついていかないわけで。

『すくらんぶる★えっぐ』『それすらも日々の果て』辺りは普通に読んでたんですけどね。

 

で、『女ともだち』ですけども。主人公の菜乃は、幼い頃に両親を亡くして女優の叔母と二人暮らし。ところがあれよあれよという間に成り行きで女優デビューすることになり、そこに出生の秘密がからんで……って書いていくとどこに「女ともだち」が出てくるんだかワカンナイ、みたいな。一応、親友のこずえとライバルであり恋愛の三角関係でもあるんだけど、あんまり印象に残ってない。

それよりも芸能活動に巻き込まれていく主人公のドタバタとかそういう辺りがよく描かれていて、一条ゆかりっぽくお洒落に派手に楽しませてくれます。さばさばしてて、それでいてたまーに陰湿で、でもまぁ結局いいか、みたいな。

一ヵ所、往年の怖さを彷彿とさせる「キレ」シーンがあって、心底震え上がりました。おかげで後半は「もう一回くらいキレるシーンが来るんじゃなかろうか」とびくびくしながら読みました。終わった時ホッとした。って書くとお化け屋敷の感想みてーだなぁ。

でも、やっぱりよくできてるので、読んでて退屈しない作品です。

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