先日、「有限カメラ」で撮った画像がなかなか面白かった。
そこで、モノクロ専用カメラアプリを入れようと思った。有限カメラ自体の良さはモノクロ以外にもあって、最初にフォーマットを選んで決まった枚数を(24枚なら24枚)撮りきるところとか、撮りきるまでは結果が見られない(偶発性が高い)とか、あるんだけれども、その辺の喜びを感じるには、もうちょい私も写真修業が足りない。せっかちなのである。
カメラアプリは既に多すぎるくらい持っている。面白そうなもの便利そうなものはあれこれ試しているのだけれど、モノクロできちんとプレビューしながら撮れるソフトが欲しい。撮った後でモノクロになるんじゃ嫌なの。いや、まてよ、それってもしかしてデジタル世界の贅沢だな。フィルムカメラの時代には、モノクロでプレビューなんてできなかったんだもんな。というかプレビュー自体、プリントされたものと違ったわけだよな。あんま私もフィルムカメラ撮ったことがないので、既にその感覚を忘れかけている。
モノクロカメラアプリを探してみてまず感じたのは、まともなアプリを探すのがなんだか困難になっている、ということ。普通に「iPhone カメラアプリ モノクロ」で探すと「無料セール」とかそういう情報が上がってくる。そちらの方がSEO的に上なのだろう。無料=いいアプリなわけじゃないので、レビューを一応確認するとけっこう酷評されていたりする。
検索ワードを「iphoneカメラアプリ モノクロ おすすめ」にすると若干精度が上がって、ちゃんと真面目に写真を撮っている人が勧めているアプリの記事が見つかる。
あとニッチなニーズを検索しているせいか、情報が古かったりもする。一時期大人気だった記憶がおぼろげにある「Hipstamatic」も現在はレビューで酷評されている。あとなぜか日本で配信されてなかったり(公式サイトは英語版と日本語版がわざわざ用意されているのに!)。こういうノイズもGoogleの「検索ツール」「1年以内」で回避する。
という結論に行き着くまでに、けっこう時間を使った。実際使ってみるのはまだこれからだよ。とりあえず、選んでみた情報をまとめておく。
BlackCam Free – Black&White Camera
私も愛用している画像ビューアXnViewの人が作ったアプリらしい。有料版(240円)と無料版(0円)があるので、まずは無料版へ。
- Instagramなどでおなじみの、フィルター適用タイプのインターフェース。きちんとプレビュー画面からフィルターが適用される。フィルターオフにすればオリジナルで撮れるし、フィルターの適用強度も上下スワイプで変更できる。
- 左右スワイプでフィルターを変更できるんだけど、無料版だと使えないフィルターがあるので、変更しようとすると有料フィルターにぶつかって「買ってね」的なものが表示されて自在には変更できない。まぁ有料版240円と高いもんじゃないので、買ってもいい気はする。
- 無料版の広告タイミングが少々嫌らしい。撮影した画像を見ようとした瞬間に4秒とか待たされる。
- 画質調整可能。明るさスライダー、中間光量?スライダー、コントラストスライダー。
- 周辺光量を落とす(いわゆるvignetteビネット) ON/OFF
- 長方形と正方形 切り替え
- 周辺ブラー(擬似的に背景ボケ) ON/OFF
- フィルム粒子シミュレートスイッチ ON/OFF
- 撮影条件を記憶しない。(起動する都度撮影条件を設定する)
Lenka
期間限定無料セール記事で見つけたアプリだが、値下げしたのか今もなお無料だったのでとりあえず。
- フィルターなし。スライダーが4種類用意されている。起動時にはスライダーはすべてOFF(標準)の状態になっている。必要なものをONにしてから調節する。
- 明るさスライダー
- マニュアルフォーカススライダー。ブラーではなく、どうやら普通に遠近フォーカスをいじっている模様。
- 色温度スライダー。黄色っぽい画面か青っぽい画面か。
- コントラストスライダー。
- ピンチ(2本指で開く・閉じる)で長方形と正方形切り替え(気づくまでに少しかかった)
- 撮影条件を記憶しない(起動する都度撮影条件を設定する)
BlackCam Freeの方が青っぽくてLenkaの方が暖色っぽいのは、私がそう設定したから。カメラ自体がそういう画質なわけではない。
暫定一位はLenka
どちらのアプリも撮影条件を記憶してくれないのが残念。私はあまりモノクロの設定をいじりたいわけではなくて、さっと撮れて欲しいのだ。
そういう意味では、Lenkaで色温度を暖色側いっぱいにして、コントラストスライダーをONにした初期状態(50%の位置)が気に入っている。ポンポン、とスイッチをONにして色温度だけいっぱいに引っ張れば設定が終わるので、まぁ我慢できるレベル。
BlackCamFreeのビネットとか、粒子シミュレートとかは気に入っているんだけど、これらの撮影条件を覚えてくれないし、画面上でスイッチを呼び出してからスイッチをオンオフするようになっているので、毎回ちょっとまどろっこしい。まぁ画面がすっきりしていると言えばそうなんだが。条件を記憶してくれるようになったらBlackCamに乗り換えて240円払うな。
MPro
使ってないんだけど、有料の中で一番優良っぽい(少なくとも、レビューの点が低くない)のはこのMPro。総じて評価が高い。
これが一番安定して評価高い。どの記事でも誉めているし、たいした値段でもないし、これ行くのが正解。あなたは買っとけ。俺のことはいい。先に行け。
Provoke Camera
それ以外で気になったのはこれ。好きな写真雑誌の雰囲気を再現したくて、というその動機がすごくいい。こういうアプリがつまらなくなるはずはない、と思いたい。
Provoke Camera
2015-11-11(水)追記 標準のカメラアプリ
大事なことを忘れていた。iOS標準のカメラアプリは、いくつかのフィルタを装備しており、人によっては、わざわざ別のアプリを使わなくても、これがぴったりくるということがあるかもしれない。
- 一度選択したフィルタは、次回起動時にも選択されたまま。
- 「写真」判型でのフィルタと「スクエア」判型でのフィルタは別に保存される。「写真」判型では標準、「スクエア」判型ではモノ、といった使い分けができる。
- プレビューはフィルタ修正後の画像がフィルタされるので、見たままの画像が得られる。
- 撮影条件というほどの撮影条件は選べない。撮影後に編集する思想みたい。
個人的には、標準アプリはロック画面から唯一起動できるカメラアプリなので、標準状態のままにしておきたい。フィルタを使うなら、「インスタント」はなかなか可愛い絵が撮れる気がしている。モノクロは「モノ」「トーナル」「ノアール」の3種類があるんだけど、Lenkaの方が好みかなぁ。
参考URL
→favLifeのARCHが選んだ iPhoneカメラアプリ BEST OF 2014を紹介します! | favLife with iPhone
→モノクロカメラアプリ|MPro | iTouch|iPad Air2の私的活用術
→厳選したiPhone6のカメラアプリ5選。 | disk+disk
→iPhoneで上品なモノクロ写真-Vint B&W | iPhone 研究室
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