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『キャメルトライ』タイトー(ARCADE) #自分にとって神ゲーだと思うのを紹介していこう

『キャメルトライ』はボリュームコントローラーを使って操作する迷路ゲームである。もがみさんのゲーセンプレイ史上、たぶん最初にして最後の、女子高生ギャラリーにキャーキャー言われた経験を持つ(笑)

キャメルトライ – Wikipedia
キャメルトライ(Camel Try) – YouTube

■予備校生活の思い出

私のゲーム遍歴は大きく3つの時代に分けることができる。

超厳密には小学1年~2年の「東林間ご近所のアーケード期」を入れて4期である。

『キャメルトライ』はこのうち「アーケード期」に属し、中でも予備校生活の1年間だけしかプレイしていない。なんでかというと、予備校時代に住んでいた祐天寺の、ゲームセンターに置いてあったからだ。ていうかそこ以外置いてるの見たことねーよ。

Wikipediaによればこのゲームが発売されたのが1989年。私がプレイしたのは、1991年であるから、ちょっと時流からは外れていたことであろう。宮崎の高校卒業と共に実家移転で上京し、当時たまたまオヤジの会社の社宅があった関係で、祐天寺から予備校に通うことになった私は、予備校帰りに独りゲームセンターに寄るのが習慣であった。当時からゲーセンには独りで行く、と決めていた。二人で行く意味などないと思っていた。筐体の前に座ればゲーマーは独りなのだ。まぁ最近はグループで遊ぶゲームもあるから一概には言えないか。
高校時代、なぜか家庭用ゲーム機にまったく触らず(理由はない)、学校の校則で禁止されていたのでゲーセンにも行かず(校則に逆らうのは面倒くさかった)、ゲームから3年間離れていた反動で、当時はゲーセン三昧であった。誰も俺を止められない

祐天寺に当時あったゲーセンは、敷地も広く、ビデオゲーム筐体もたくさん置いてあって、意外と充実していた。ここでいろんなゲームをしたが、今、明確に記憶に残っているのは『キャメルトライ』だけだ。そんだけ遊んだんだろうな。(あ、『ミッドナイトランディング』と『スプラッターハウス』は置いてあったな……)

■回せ!

このゲームの特徴は、操作系だ。普通の「レバーとボタン」操作ではなく、ボリュームコントローラーとボタンで操作する。ボリュームコントローラーってのはアレよ。つまみをくるくる回すってことよ。古くは「ブロック崩し」でも採用されていたアレ。

基本的にはボールを導いて迷路を進むという、シンプルなゲーム。制限時間内に画面中央に表示されるボールをゴール地点の壁にタッチさせると1面クリアとなる。ただしボールを操作するのではない。ボールは、スタート直後から画面下(手前)に向かってひたすら落ち続ける。ボリュームコントローラーで動かすのは、迷路の方だ。

ゲーム機に詳しい人ならスーパーファミコンが「画面の拡大・縮小・回転がスムーズに処理できる」ことをうたっていたのをご存じだろう。『キャメルトライ』はまさにそうした画像処理系の充実に伴って登場した名作なのであるよ。これが3Dポリゴンの時代になると『TAMA』『クーラクエスト』など同様のボール迷路ゲームが登場した。たぶん4Dになったらまた同じようなゲームが出るんだろうな(4D迷路って想像もつかんが)。

迷路を動かし、落ちるボールの先へ先へと通路を回していく。ボタンを何に使うかというと、これがわずかにボールの挙動を操作する方法である。ボタンを押すと、ボールがぽんと跳ねる。その反動でブロックを壊したり、ビミョウに障壁を越えたりすることができる。また、ボタンを押しっぱなしにしている方が落下スピードが上がる。

壁にも種類があり、壊せる壁、壊せない壁、触ると残り時間が増える壁、触ると残り時間が減る壁など。これがまた小気味いい配置になっており、アッ、と思う場所に時間が減る壁が置いてある。注意一秒怪我一生、減点2秒(時に5秒)。

ちなみに画面のボールの種類を選べる裏技があった。インターネットもない時代にどこでそんな情報を聞いてきたんだったか、覚えていないが、もしかしたら、筐体に親切に書いてあったのかな。タイトーのゲームらしく「ちゃっくん」をボールの変わりにすることもできたけれど、「鉄球」を選ぶと落下スピードが若干上がるのでそれを使っていた覚えがある。

■生涯一度のギャラリープレイ

トレーニング、ビギナー、エキスパート、スペシャルの4つのコースがあり、それぞれが6~10面からできている。毎日のようにこれをやった。
いわゆる覚えゲーである。迷路を覚えることが何より重要で、覚えていけばそれなりにクリアはできる。めきめき腕を上げた私は、最終的にスペシャルのコースをワンコインでクリアするまでに至っていた。こうなってくると、なんか既に日課である。よーし今日もキャメルトライ、クリアしちゃうぞ、みたいな。自分の集中力や体調を知るバロメータにもなる。あれ、今日は調子悪いな、なんか集中力ないな俺。といったことも可能だ。別にジョギングだけが体調管理の方法ではない。日課ということが大事なのだ。

ある日のこと。いつものように「よーし今日もキャメルトライ、クリアしちゃうぞ」なんて思って迷路をぐりぐりやっている。慣れたもので、迷路のどこに何があるか、手に取るようにわかっている。次はこう、次はあっち。そこで回って、壁をつついて、一気にゴール。

みたいなことをやっていると、ふと、背後で声がすることに気づいてしまった。ハッと息を呑む音までしたような気がする。
「見て! すごい!」
勘違いのしようもない。さびれたゲーセンで、他にあんまりプレイヤーはいなかった。でもってわしが迷路をクリアするたびに「すごいすごいすごい」と感嘆の叫びを上げるので、ああ、これは私のプレイをご観覧なさっているのですね、とわかる。セーラー服の女子高生二人。一方がキャメルトライのプレイヤーなのであろうか、やたら超反応しているが、もう一人の反応は薄くて、おつきあいで見ているっぽい。声抑えてるつもりかもしんないけど、すっげー聞こえてますよお嬢さん。

今の私ならにっこり笑ってえへへとか言って、プレイ後に声をかけてお茶に誘うくらいのことはできたかもしれないが(無理かも)当時の私は何せ筋金入りのオタクであるから絶対無理無理無理。そもそも無性に恥ずかしいし、むしろプレイに集中できない。動揺するとこの手のゲームは危ない。明らかに普段はしないミスとかしている(気がする)。やべぇ。これで途中で終わってガッカリされるとかむなし過ぎる。
「あのう、俺、普段はクリアできるんですよ、普通に毎日クリアしてます、でも今日はちょっと動揺しちゃって(てへ)」……なんて言い訳のきかない事態なのである。「結果がすべてでしょ。二度目はないのよ」とか言われてがっくりうなだれる俺……そーんなのはい・や・だ!

落ち着け。わしの辞書にパニックという文字はない。必死に冷静さを保ちつつ、普段通りのプレイを心がける。ちょっ、待っ、この-2secブロックに連発で触っちゃうとかありえないって。とか思いながら、プレイを続け(女子高生は後ろで息を詰めて見守っている)、やったぜ、俺、全面クリアしたよ母さん! ちゃんとほらクリアできたじゃん嘘じゃなかったでしょ。

とか思いながらクールに(照れ隠し)立ち上がり、女子高生を完璧に無視して別のゲームをやりにいったのであった。ああ、ほんともうオタクってヤツは。バカバカバカ。

■キャメルトライのその後

予備校が終わって、なんとか大学に入れた(あんだけゲームやっててよく……)。と同時に祐天寺の社宅から東林間のマンションに移ることになり、引っ越し。祐天寺に行く用事はなくなってしまった。何年かたって祐天寺に行ってみたらそのゲーセンは消滅しており、跡形もなくなっていた。その女子高生にもその後会わない(当たり前)。私のキャメルトライはここでおしまいである。

今からゲーセンでギャラリーがつくほど遊ぶということもないだろう。そもそもそこまでゲームが上手いわけでもない。たまたまあの日、キャメルトライを好きな女子高生が通りかかったというだけの偶然で、一生に一度のギャラリープレイということになったわけで、まぁそんなことはおいといても、キャメルトライは楽しかったナ。

iPhone版が出ているらしい。
TOUCH!PLAY!TAITO | キャメルトライ
iPhone AC 番外レポート : キャメルトライ
とはいえ、ボリュームコントローラーの感覚とはまた違うだろうなぁ。

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