「フリクション」即ち「こすったら消せるボールペン」が登場して以来、「こすったら消せるスタンプが欲しい」と思っているのだけれど、どうもそんなことを考えているのは私だけらしい。
そもそもビジネス利用できるスタンプというのは異常に選択肢が少なく、素っ気ない経理用くらいしか見当たらないのだが、スタンプ業界はそういう需要に興味が無いというか、失敗事例でもあるんだろうか。こんだけ手帳がもてはやされている時代に、シンプルなピクトグラム風のスタンプ、あったらいいと思うんだけどな。
さらに「こすったら消せる」ということになれば、手帳にバンバン予定スタンプを押して、変更になったらバンバン消して……という夢のような時代がいつ来るか、いま来るかと待っているのに、いっこうに登場しない。アレか。技術的な限界というヤツか。浸透印かつ消えインクというのができんのだろうか。
待っていても埒があかないので、解決編に突入することにした。
その妙案とは、先日来我が家でも導入されたテプラである。しかもマスキングテープのカセットがある。これでスタンプの代用ができるのではないか。
というわけで、作ってみた。
■「SCANNED」
「スキャン済」を示すラベル。ペーパーレスという観点からすればスキャンしたら即裁断というのが望ましいのだけれど、なかなかそうはいかないもので、しばらくは保持しておかなくちゃ、とか、原本だからとっておかなくちゃ、というものもある。かといってそのままにしておくと、しばらく経って「あれこれスキャンしてあったっけ?」という感じになり、「いいやわかんねーから念のため」と重複スキャンを許すことになり、データが倍になり、桶屋が猛火り、病が流行し、天変地異が起こり、最後の審判が下り、人類の罪が今裁かれる。そうならないためにも、「スキャン済」を高らかに示すラベルは必要である。
■「SHRED」
「この書類はいずれ必ず八つ裂きにしてやる」という死の宣告であり消すことができぬ刻印……それがこの「シュレッダー」ラベルである(はがすことはできる、マスキングテープだから)。食べたい時が旨い時、という原則に立てばシュレッダーしたいと思った時にシュレッダーすべきなのだが、なにせシュレッダーは手の届くところにないことが多い。あまり手が届いて指を食べられてしまうのも感心しない。なので、このラベルを貼っておいて、後でまとめて八つ裂きにする。
■「OBSOLETE」
会社には「旧版」のスタンプがあり、今は古くなった図面などにこのスタンプを押す。図面ならずとも「この書類もう古いからナ」という時はある。でも一応今の作業が一段落するまでは、経緯がわかるよう旧版も残しておきたい。そんな時にこのラベル。本来「旧版」は「old edition / old revision」であろうが、それではちとピンと来なかったので、「廃れた、不要の」という感覚を「OBSOLETE」で表現することにする。
他にも手帳用にピクトグラムとかマスキングテープラベルにしたら楽しそう。つーかほんとなぜそういうのを商品化しないのか、マスキングテープ業界にもスタンプ業界にも納得がいかない。