1万円もする鉛筆だから、まあそのまま鞄に入れるのはちょっとどうかなー、という気持ちがあった。
Facebookにそんな気持ちを書いてみたところ、友人から「百円均一でもけっこういいのがあるよ」とコメント頂いた。バンド付きの、手帳を想定したペンケースがあるというのである。なるほどこれは便利そう。
そこで赤羽のダイソーに行ってみたが、残念ながらバンド付きのペンケースはなかった。セリアやキャンドゥにも行ってみたが、それでもなかった。おかしいなー。
しかたなく、キャンドゥにあった、何の変哲もない、ファスナー式のペンケースを百円で買ってきた。とりあえずその場しのぎ、という認識だった。
それからしばらくして、娘のために手帳を買うことになり、渋谷Loftへ行く機会があった。そこにバンド付きのペンケースが売っていたので、ついちょっと買ってみたのである。
ところが、私は大事なことを見落としていた。ApplePencilは、意外と長い。購入したバンド付きのペンケースはコンパクトすぎて、ApplePencilを入れるとファスナーを閉めることができなかった。ApplePencilの白いキャップが少し見えてしまう。そして、ApplePencilはツルツルで引っかかる場所もないため、ペンケースを逆さまにすると滑らかに中から躍り出てしまうのであった。ペンケースの機能をしていない。
そこでこのバンド付きペンケースはお蔵入りとなった。
しかし、実はお蔵入りにした理由は、ApplePencilのサイズ問題だけではなかった。
運用してみたら、バンドつきよりも、意外と普通のペンケースの方がよかったのである。
私がiPadを使いたい、と思ったとする。鞄からiPadを取り出す。するとバンド付きのペンケースも一緒についてくる。ここまでは、まあいい。
もし私の使いたい用途がApplePencilではない場合、「バンドを外し」「ペンケースを鞄に戻す」という動作が発生する。
それはApplePencilを使わないからだって? それはそうかもしれないが……。
ではApplePencilを使う場合を見てみよう。ApplePencilをペンケースから取り出し、そして「バンドを外し」「ペンケースに戻す」。あれ、同じ手間じゃないか。
バンドなしペンケースの場合はどうか。ApplePencilを使わない場合、iPadを取り出した時点でおしまい、手間はない。ApplePencilを使う場合……私は鞄の中にあるペンケースのファスナーを開いて、そして「ApplePencilだけを取り出す」。戻す動作はない。
これが万人に適用されるものではないことはわかっている。私の運用上の話だ。私の運用上は、バンドというものは不要だったのだ。
してみると、バンド一体型というのは、カバンから離れてiPadとApplePencilを持ち歩くというシチュエーションでは非常に役に立ちそうな気がする。今の私にはそんなシチュエーションはほとんどない。会社内で立ち歩かないからだ。
運用の細部まで見ないといろいろ間違うなぁ、という話。