「先の先」「後の先」という言葉がある。「後の先」というのは敢えて後手にまわって戦略を立てるという方針である。相手に先に行動させ、それを受ける。その受けに絶大な自信があり、相手を誘導し、勝利する……という方程式だ。
「GIZMON iCA5」は後の先で会話の流れを奪う驚異のiPhoneケースである。このiCA5はiPhoneケースなのだけれど、何が特徴かというと、完璧にカメラに見えるということなんである。
それ以外はこんなたくさん機能がある。
■機能
◆レンズに見える場所にある自分撮りミラー（インカメラを使うなら不要）
◆2点吊りストラップ仕様（でもストラップは別売り）
◆マナーモードスイッチ封じ（マナーモードスイッチを完全にカバーして使えなくする。購入検討する人はマジ注意）
◆音量ボタン大小差別化（音量ボタン大小を指で触って間違えにくくなる）
◆レンズアダプター（別売の望遠レンズやマクロレンズに対応）
◆薄型と厚型のモックレンズ2種交換可能（でも固定が緩いので遅かれ早かれ外れて失くなる）
……いいんだよ。こいつのいいところは「カメラに見える」その一点のみ。そのことがどんなメリットをもたらすかというと。
■メリット1: 2点止めのカメラストラップ（例えば、ニンジャストラップ）で首から下げて違和感が無い。
ということはどんなケースに入れるよりも素早くアクセス可能。
なんか「あ、アプリ見たい」という時にケースから取り出すとかカバンから取り出すとか、ワンアクションしなくていい。もちろん、「あ、撮りたい」ならなおさらである。早撃ち！ まさに早撃ち！
■メリット2: 会話でワンチャンスとれる。
iCA5はカメラに見えるだけではなく、「すっごく薄いカメラ」に見える。相手がカメラに少しでも興味があれば、お前の次のセリフは「薄っすいカメラですね！」と言う。見知らぬ人にさえ話しかけられる場合がある。
そこから会話の花が咲き、いずれ散る。うむ。会話に咲く花といえども道を外れては生きられぬ。
（5分後）忘れていたがカメラ男子がモテる。話しかけてくるナオンとカメラの話題で盛り上がって「撮ってあげようか」とかなんとか言ってお近づきになるのじゃよー。
ああ、話が明後日方面に逸れましたけど、このケース、購入するとそれなりの代償を支払うのでご注意。
■デメリット1: さっきも書いたけどモックレンズが取り外し可能であるがゆえに紛失する悲劇が発生する。
カメラ風の外観にこだわる人にはゴツくて邪魔な厚いモックレンズ。邪魔なだけかと思いきや、指を引っ掛けて持つと安定して持てるというハンドルめいた面も。
■デメリット2: これもさっき書いたけど、マナーモードスイッチが完全に使えなくなる。マナーモードスイッチに触りたかったら、2本のネジを外し、ケースの側面をぱかっと外して触ることが可能。恐ろしいほどの思い切りの良さ。iPhoneはこのマナーモードスイッチ以外にマナーモードを切り替える手段が用意されていないので、今やわしはもうマナーモードにしっぱなし。着信音とか関係ないね。
■デメリット3: 不必要にカメラと間違われて止められることが可能。カメラ持ち込み不可のところで見つかると止められること必至。まぁそりゃiPhoneだってカメラ積んでるんだからじゃあお前ら全員iPhone出せよ！と言いたいところだがだいぶ面倒なことになるのでカメラ不可のところではカバンの奥底深く隠して行くしかない。
■2015-02-18(水)追記）lightning端子の周りの余裕が少ないため、Apple純正のLightningケーブル以外、大半のLightningケーブルは入らない。ハッ。どこより高価な純正品以外お呼びじゃないぜ。ヘッドホンプラグも同じ。
どうだ、素敵だろう。
こんな素敵なiCA5、2点止めのストラップホールが一方壊れて、1点止めになっていた。これは公平に見てiCA5の問題ではない……のかもしれない。なぜなら私がそこに金属製のリングを通していたからだ。ストラップのワイヤだけならもっと長持ちしたはず。でもこの穴に2点止めのストラップを通して固定できる方法がわかんないけど……。両方ともにワイヤーをくぐらせる魔法の技が？
ともかく、気に入っていたので買い直そうと思っている。次はちょいと工夫して、ニンジャストラップと短いストラップを用意し、リングでつなごうかと思っている。これなら両方のストラップホールともワイヤーと接触するだけで金属との接触がないので、長持ちしてくれる……はず。
さあ、あなたもレッツiCA5。今まで一回だけ、同じiCA5を（色違いだったが）使っている人を見たことがある。しかも女子。思わず「薄っすいカメラですね！」と話しかけてやろうかと思ったが、そこから会話の花が咲き、素早く散るのが見えたのでやめといた。この意気地なし。