個人的にはハインラインがたっぷりランクインしていて嬉しい。
→ローカス発表!20世紀SF小説オールタイムベスト – 銀河旋風
ろくすっぽ読書量もないくせに好きな作家も何もないもんだ、と言われるかもしれないが、ハインラインが好きである。豊かな人生経験に裏打ちされた文章、わくわくする冒険的なストーリー、誠実な信念を持った主人公、安心できる結末。こんな物語が書きたいと思うタイプの作家だ。モダンというよりはクラシックな趣だが、そこがいい。
まぁ20世紀のSF作家で言えば間違いなく上位に入る人なのでランクインして当たり前なのだけれど、それでもやはり嬉しい。
自分の読んだ作品だけ以下に抜き出してみた。それで気付いたが私がハインラインで読んでない『異星の客』が11位でハインラインでは最高位らしい……。読もうっと。
03 《ファウンデーション》三部作 アイザック・アシモフ
すげー評価高いなやっぱり。読んだのが若すぎたのか、そもそも話が壮大すぎるのか、もう中身あんまり覚えてない。
12 『月は無慈悲な夜の女王』 ロバート・A・ハインライン
11位の『異星の客』には敗北を喫しているものの、紛れもなく名作。私も大好きな作品。流刑地と化した月世界の地球からの独立戦争を描く。といっても、月世界には一つの兵器もない。スーパーコンピュータ「マイク」との会話や、月世界の独特の文化や経済の描写が秀逸。
14 『幼年期の終り』 アーサー・C・クラーク
細部はあんまり覚えてないんだけど、最後のカレレンのシーンがなぜかすごく印象に残っている。
17 『火星年代記』 レイ・ブラッドベリ
短編のオムニバスのような作品。ブラッドベリらしい、若干ファンタジックというか詩的というか、な作品の連なりが楽しい。
21 『宇宙の戦士』 ロバート・A・ハインライン
SF軍隊物語。「全体のために個を規制する」という軍隊的な思想が徹底的に合理化・正当化されていて面白い。
56 『鋼鉄都市』 アイザック・アシモフ
『夏への扉』が登場するまでは私のベストSFだった(といっても小学校の頃の話だけど)。ロボットが人類を幸福に「しない」というテーマを正面から扱っている社会派SF。この作品ではロボットは人間の仕事を奪う存在として地球人類から憎まれている。
61 『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン
中学生の時に読んで溺愛した作品。今でもやはり大好きだけど、これは10代で読まないとのめり込めないかなぁ。
66 『永遠の終り』 アイザック・アシモフ
アシモフには珍しい時間もの。アシモフらしい独自解釈を含んだ時間軸の設定が面白かった気がする。
68 『太陽系帝国の危機/ダブル・スター』 ロバート・A・ハインライン
政治SF。私が読んだのは『太陽系帝国の危機』で訳はちょっと古めかしいしぎこちないんだけど、コンセプト自体は古典的な「とりかえばや」でどうってことはないんだけど、替え玉がバレるかバレないか、みたいな緊張感があってちょくちょく読み返していた。役者が主人公というのもなかなかお気に入り。
74 『竜の戦士』 《パーンの竜騎士》 アン・マキャフリイ
高校時代に読んだなぁ。二作目以降には進まなかったけど。胞子を焼きまくる竜騎士の冒険は面白かった。
75 『銀河市民』 ロバート・A・ハインライン
けっこう好きな作品だったんだけど細部を忘れちゃったな。たしか物乞いの老人に育てられた少年が、老人のもとを離れ、さまざまな経歴を経て真実にたどり着く……という話だったはず。
105 『われはロボット/アイ・ロボット』 アイザック・アシモフ
古典。ロボット三原則を作っておいて自分で抜け道を考えるアシモフ氏は一体何やってるんだろう、とか思わないでもない(笑) めちゃ面白いけど。
121 『神々自身』 アイザック・アシモフ
ああ、もう記憶がおぼろげだ。『闇の左手』とごっちゃになってるな。
145 『愛に時間を』 ロバート・A・ハインライン
ハインラインの大長編。『メトセラの子ら』の主人公ラザルス・ロングの自分語り。あれ、これ途中までしか読んでない?
177 『銀河パトロール隊』 《レンズマン・シリーズ》 E・E・スミス
アニメの華々しい雰囲気と違って、当時読んだ訳は古めかしくてそのギャップがまたしびれる。スペースオペラの大法螺な感じがいい。
190 『フライデイ』 ロバート・A・ハインライン
これもかなり好きな作品。伝書吏フライデイ(女性)の冒険物語。
217 『木曜の男/木曜日だった男』 G・K・チェスタトン
これSFに数えるかなぁ? 津村記久子さんが「地上で最も面白い話だと思っています」とのたもーた作品。
228 『グレー・レンズマン』 E・E・スミス
レンズマンのレベルアップ。あれ、『第二段階レンズマン』とどっちが先だっけ? グレー・レンズマンは身分上の話で、第二段階が能力アップ、だったかな?
251 『たんぽぽのお酒』 レイ・ブラッドベリ
これもSFか? いや好きだけどさ……
274 『はだかの太陽』 アイザック・アシモフ
『鋼鉄都市』続編。鋼鉄都市の方が面白いかなー。だって人に遭遇しないんだもん。
274 『栄光のスペース・アカデミー』 ロバート・A・ハインライン
289 『スターマン・ジョーンズ』 ロバート・A・ハインライン
この二つ順位も近いけど、ストーリーの傾向が似ていて、私よく混同する。今度読み返そう……。
312 『人形つかい』 ロバート・A・ハインライン
ハインラインの中では古い方の作品だったはずだけど、めちゃ面白い。人にとりつく異星生物との闘い。映像化もされたはず。
340 『発狂した宇宙』 フレドリック・ブラウン
あれ、フレドリック・ブラウンはだいぶ少ないな。やっぱあの人は短編の面白さが群を抜いている……。
351 『栄光の道』 ロバート・A・ハインライン
けっこう好きな作品なんだけど順位は意外と下の方。ハインラインにしては軽口の主人公が絶世の美女に乞われて冒険に出ちゃう。フェンシングの戦いの描写とか面白いんだけど、後半、くだを巻いてる辺りがやっぱ不人気の原因か。
351 『ルナ・ゲートの彼方』 ロバート・A・ハインライン
一言で言うと、異星サバイバル少年少女漂流記。サバイバル・テストから帰れなくなった少年少女が、異星でのリアル・サバイバルを開始する。主人公の姉ヘレンが言う「予備のナイフは、おなじ重さのトリウムほど価値があるのよ」はナイフ愛好家にとって至言。あと「そこではっと気がついた。マトスン博士は、質問に答えてくれたのだ、実にはっきりとしたヒントによって。」も好きなセリフだな。
365 『インテグラル・ツリー』 ラリイ・ニーヴン
設定が奇抜すぎてついていけん……