いまさらだが『Grand Theft Auto IVコンプリートエディション(PS3、以下GTA4)』を遊んでいる。それどころか、実は『GTA』作品を遊ぶのは初めてだったりする。ゲームライターだったくせに流行りのゲームをサボりがちな私は、例によって『GTA』もサボっていた。
なんか話題になってたのは何だっけ、と思ってWikipediaを調べたら、有害図書指定されたソフトだった。『III』の頃に、内容が過激だってんで、ゲームで初、だったか家庭用ゲームで初、だったか、とにかく有害指定されたのだ。
その上、大変自由度が高いという評判ばかり聞いていたもんで、私の脳内では街中でドンパチやる西部警察ゲームということになっていた。♪盗んだ車で走り出す~邪魔する奴らは皆殺し。ロケットランチャーでパトカーの群れを吹き飛ばしちゃったりしてね。シティハンターかお前は。
実際にプレイしてみると、だいぶ地味。というかリアルに地味だ。まず乗り物の操作がけっこうシビアで、慣れるまでは「♪盗んだ車で走り出す~けど暗い夜の帳の中でぇ~最初のコーナーを曲がりきれずに街灯に突っ込んで廃車。」みたいなことがけっこう普通。実にリアルだ。
移民である主人公リコ・ベリックは従軍経験もある寡黙な男で、度胸があって腕がたつ。次第にヤバい連中とのつきあいが増えてさまざまな依頼を受けるようになり、犯罪に手を染めることも多くなるが、しかしこれがまた操作に慣れるまではあっさり死ぬ。最初の殴り合いでは普通にボコボコにされるし、銃撃戦ともなるとあっさりやられる。操作系がけっこう複雑で、コントローラーのほとんど全部のボタンを使うこのゲーム、状況によって微妙に武器ボタンの配置が変わるため、いざというときになって「あれ、どのボタンで武器だっけ」ということが発生し、ほとんど反撃しないまま「あれよ、あれよ」という間に血だるまになって転がったりとか。逆に自動車で彼女とデートしている時に、うっかりボタンを押し間違えて発砲してしまい、彼女にキレられ(当たり前だ)「どうかしてるんじゃないの? あたしここで下りるわ」とさっさと降りられてしまい、車内に取り残された時のぽつねんとしたやりきれなさとか。
幸い、ヌっ殺されても直前のミッション受諾したところからやり直しが効くのでやり直すんだけども。これやり直ししなかったらまた展開変わるのかしら。
今のところストーリーも地味め。犯罪組織の依頼をこなしつつ、次第に誰それを始末し、誰が殺され、誰を殺し……と血まみれになっていくニコの人生がちょっと重い。頭悪そうな従兄弟のミッションだけ引き受けてたらもうちょっと脳天気な展開になんのかなーこれ。
ストーリー的には追加シナリオの方が面白い、とネットの評判なので、そちらに期待大。しかしそこまでたどり着くのに、50時間とかプレイすることになりそう。いや、まぁ、初期投資3000円弱で、長く楽しめるってのは親切なゲームなんだけどな。
あんまりこればっかやってると人生を踏み外すので、毎晩1ミッションだけに絞ってプレイ中。とりあえず、早くリバティシティーの道を覚えたい……引っ越してきたばっかりで右も左もわからない。
あと英語のセリフが聞き取れたらだいぶ便利になると思われる。自動車を運転する際とか、カーナビをチェックしつつフロントウィンドウの街並みを注視するのもけっこうしんどいのに、そのうえキャラクターの会話字幕とか、どんだけ視点が忙しいのかと。注意一秒怪我一秒という言葉を知らんのかニコ。またガードレールに突っ込んで廃車じゃないか。