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2015-07-03(金)宿輪純一先生 社内講演

通貨経済学入門【第2版】¥ 2,808

社内で宿輪純一先生の講演があったので、内容の当たり障りのないところを(笑)まとめてみました。わかりやすく、非常に勉強になります。
宿輪純一 オフィシャルウェブサイト – Junichi SHUKUWA
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劣化する日本

成長戦略=人口×資金×知識

アベノミクス

量的緩和: 国債購入して資金注入。
アメリカは量的緩和をやめた。国債の期限に応じ緩やかに量的緩和を終了する。

金利には「期間」がつきもの。

プエルトリコ。自治領。ギリシャのドサクサにデフォルト。
アメリカは破産法が充実している。会社のトランスファーを守る。破産法のおかげで給料カットやなどの強攻策が可能になる。チャプター11(米連邦破産法第11条)
自治体はチャプター9。デトロイトで事例がある。よくイメージされるような自動車産業の不振ではなく、年金比率が高かった。ことが問題。ギリシャも定年50歳で年金比率が高い。ギリシャ年金は25%が受給者。

実体経済と金融経済

歴史的には金融上お金が足りないという時代もあったが、今は概ねお金が余り、株に投資される。つまり金融緩和をすると株価が上がり、格差が広がる。ピケティが言っているのはそういうシンプルなこと。
インフレ物価上昇→借金有利。今日本で一番借金しているのは日本政府。2%の福利で借金は5年で8割に目減りする。
金融政策はお金の注入、輸血。一時的な措置。

80兆円の国債購入。
国債購入でお金を市場に入れる。日銀は80兆円購入。日本の赤字は日銀が引き受けている。
国策として株価を上げようとしている。景気良くなる。株価倍増。日本企業最高益。海外進出によるもの。ただし海外再投資で国内にお金の還元が甘くなる。株価を上げても国内に影響しない。

GPIF 株式比率が上がった。
かんぽゆうちょの上場→資金運用の自由度が上がって、株式購入。当面日本の株は上がる。

株式購入&国債売却の構図。
日銀が国債を買う。日銀政策委員会9人の決定権。国債購入を45兆に減らそうとする人もいる。

オリンピック景気は一時的。施設インフラがレガシー化し、ブラジルの景気は結果的に悪化。

社会保障費。
マイナンバー制度でさまざまなコストダウン、景気回復が期待できる。

農業政策。計画経済。バターは国家統制。輸入量制限。小麦粉も高い。総量規制。

経済は平時には教育。危機では医療。苦い薬と副作用。
「GDP対比率1%」が目標。ということは、支出の削減をしないつもり。

ドイツ

二次大戦直前混乱。ゼネスト。
ゲーテ。ワイマール財務大臣だった。フランス。オルレアン公。中央銀行総裁。金本位制。将来出る金を担保に貨幣発行。インフレで革命が起きてしまう。

イギリス金融政策。キャメロン氏は3年間で財政赤字を削減。税金アップ。労働党勝利。国民への説明を丁寧に行っている。
日本では税金アップした時点で選挙に負ける。きちんと教育しない方が日本政党には好都合。

揺らぐ安定成長。停滞状態。

原油のシェールオイル。交渉カードに使える。アメリカが35年ぶりの産油量トップへ。

金融緩和
アメリカの利上げによって、資金がアメリカに戻る。新興国の資金が抜けてダメージを受ける。
アメリカ利上げで世界恐慌になった事例もある。南米危機。アジア通貨危機。
今年の利上げは9月、11月、12月のどこになるかが焦点。

北欧

会社の新陳代謝がいい。早く潰して次へ行く。時代遅れになった企業を無理に延命処置すると政府の赤字が増える。
社会福祉が充実しているため失業不安がない。預金が少なくて済む。大学ただ。医療ただ。

日本も戦後は人手不足なので終身雇用で人材を囲い込みしていた。そうした制度はできた瞬間がベストで、次第に陳腐化する。

中国

一党独裁はガス抜きができないので、一度火が付くと革命に発展する。そのため、封じ込めが激しい。

中国不動産の限界。成果重視の評価制度で、GDP成長率が高い人を上に上げる。一切無視してGDPを上げるために不要なビルを建てまくる。
AIIBアジア投資銀行で中国の建設業を潤したい。そのため、建設業が強い日本を排除。
参加国。
ヨーロッパが入った誤算。親アメリカを抜けて中国寄りの姿勢。中国はまだ成長率が高い。また、ヨーロッパはロシアとの関係が切れているため、市場を求めている。

10月IMF総会

人民元の国際化

基軸通貨にしたい意向。国債を買わせる。

上海株下落

人民元国際化に伴って金利の自由化。銀行の収益落ちる。上海株を捨てた。
中国では7-8割が個人投資家。

質疑応答

■ギリシャが抜けた方が、ユーロが安定するのでは。そういうシナリオはない?

ギリシャは金融封鎖をやった。口では緊縮策に「ノー」だが、年金引き下げに対する布石と考えることもできる。国民に対して金融封鎖で危機感を煽る。
破綻改革もきっかけづくり。これによって国民が改革を我慢する可能性はある。
ヨーロッパの野望。キリスト教世界の樹立。そもそも最初から経済メロメロのギリシャをEUに無理やり入れた。経済的な思惑を超えたものがある。

ハードユーロ、ソフトユーロの理論。
ギリシャ離脱が悪い前例になると南欧が軒並み抜ける。
イタリアも北部のトリノなどは「あいつらドイツ人だから」と揶揄されるほどしっかりしている。

アジアは経済を超える思惑がないので通貨統合は難しい。通貨を捨てるには国旗を捨てる感覚が必要。
経済も文化的なバイアスはある。政治的バイアスはまたさらに別。

ブレストンウッズ会談。
イギリスのケインズの主張を退ける形でアメリカのホワイトが金本位制を主張し、導入された。実はソ連のスパイだった。

ギリシャは改革に進むのでは。じゃあ日本はどうか。経済は最適値を求めていく。イエスノーではない。

日本には儒教的な思想がある。年配者へ無責任な優しさ。年金や医療は減らしたくない。
イギリスは政治の先進国。政治の仕事は配分。お金も負担も配分する。

以上

2015-07-03(金)宿輪純一先生 社内講演
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