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『グレイトな上司』リチャード・テンプラー

知り合いが編集した本ということで読んでみた本。「極めろ上司道」というシリーズで出す予定らしく、その1冊目になっている。


平たく言うと、管理職心得だ。100項目にわたって、管理職のあるべき姿、心がけるべきモットーを解説している。1項目は見開きで完結するようになっていて、どこからでも読みやすい。文章に控えめなユーモアがあって、気楽に読める点もいいね。
僕の場合、管理職とは縁がない商売をしているのでこういう本はつまらないかとも思っていたんだけど、意外と面白く読めてしまった。いや、別にジョーク集として読んでいるわけじゃなくて、ちゃんと役立つ知識としてね。管理職の仕事というのは、単純に言うと「チームをきちっと機能させること」。この本にはそのノウハウが詰め込まれている。僕の場合は「一人チーム」だと思えばいい。自分というチームを機能させようと思うと、ここに書かれていることも十分応用できちゃうんだよね。要するに自分で自分を管理する、みたいなことなんだけど。
また、周囲の人間を見て評価するための基準にもなりそう。「あ、こいつデキる」というようなことを考える上で、参考になる。「会議は必ず時間ぴったりに始める。遅刻した人間を待ってはならない」という項目など、なかなか胸に響いた。
この本を読んでいると「あなたはグレイトな上司なのだから」「グレイトな上司(今後、これは常にあなたを指す)」といった表現で、読者を「グレイトな上司」とみなし、そう呼び続け、「グレイトな上司」として扱っている。これが何やらこそばゆく、読んでいる人間のプライドをくすぐってやる気にさせてくれるのも、実は重要なポイントかと思う。「ま、俺もやればできるしな」みたいな鷹揚な気分にさせてくれる一冊。

『グレイトな上司』リチャード・テンプラー
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