なんとなく「モディリアーニ展」という認識でいたんだけど、正確に言えばこれは「モディリアーニ展」じゃない。これはやはり「モディリアーニとジャンヌ展」という認識が正しい。作品の半分か、もしかしたら半分以上は、ジャンヌ・エビュテルヌのものなんだもの。モディリアーニを浴びるつもりでいくと、少々肩すかしになるかも。
でもモディリアーニの理解を深めるという意味では、決して悪くない展示だった。
この展覧会のキモは、これまであまり知られていなかった妻ジャンヌ・エビュテルヌの作品が多数公開されたということ。そこで、モディリアーニやジャンヌの作品を時代順に並べ、二人の生活、芸術観、そして悲劇的な最期に至る経緯に迫ろう、というのが主旨だ。だから、モディリアーニ展としてはちょっと異色というか、ややマニアックなネタに踏み込んでいると思う。
うがった見方をするなら、ワイドショー的な、ミーハーウケが狙えちゃうネタではある。「悲劇の芸術家夫婦の真相に迫る!」みたいな扇情的な見出しをつければ、ワイドショーで放映できちゃいそう。ま、そこまで派手にはやってないけど、どこまで解説の煽りを信じていいんだか、ちょい不安かもね。
ジャンヌ・エビュテルヌの絵もなかなか見応えがあって面白かった。線のかっちりしたイラスト風だったり、印象派風の油彩だったり、モディリアーニの影響を受けた人物像だったり、それぞれの時代に味がある。
この展示、カップル・フライデーナイト割引というのをやっていて、カップルは金曜の18~21時の間、2000円で入れる(一人あたり1000円)。しかしこれ、カップルで見たらなんか鬱々として来るんじゃねぇかなぁ? とやや心配になったことでした。
■Bunkamura特集ページ
エコール・ド・パリを代表する画家アメデオ・モディリアーニ。彼は32歳の時に才能豊かな18歳の美しい画学生ジャンヌ・エビュテルヌと出会い生活を共にしますが、病魔に冒され35歳で早逝してしまいます。彼の死の2日後、ジャンヌは第二子を宿したままアパルトマンの窓から身を投げ、出会いから僅か3年で二人の 愛と人生は、儚く消えてゆきました。本展ではジャンヌの遺族が秘蔵していたコレクションを中心に、モディリアーニ、ジャンヌそれぞれの油彩、水彩、素描作品と写真等の資料で、モンパルナスに咲いた愛と悲劇の軌跡を辿ります。
◆2007年4月7日(土)~6月3日(日) 開催期間中無休
◆開館時間 10:00~19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
◆会場 Bunkamuraザ・ミュージアム
◆入館料(税込) 一般
当日 1,300円、前売/団体 1,200円
◆カップル・フライデーナイト割引
毎週金曜日18:00以降にカップルでご来館いただいた方はお二人で2,000円(消費税込)!!
◆巡回先
2007年6月9日(土)-8月5日(日) 札幌芸術の森美術館
2007年8月29日(水)-9月24日(月・祝)大丸ミュージアム・梅田
2007年9月29日(土)-11月5日(月) 島根県立美術館
2007年11月10日(土)-12月16日(日) 山口県立美術館