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脱構築

脱構築というのは、人間の記号認知に関連した用語である。文字をずっとジッと見つめていると、記号の持つ意味が薄れてきて、ただの線の集まりに見えてくる。芥川の「文字禍」という短編にもこれに類する記述がある。
例えば、「く」なんてのはよくよく見ると本当に奇妙な形をしているし、「つ」だってつくづく変な形だ。この間違えて曲げちゃった針金みたいな、床に落ちてた髪の毛みたいな線をなぜ「ku」と読み「tsu」と読むのか、まぁそれが記号ってもんだから仕方ないが。
逆に記号として認識出来ない外国語、例えばアラビア語なんかは、脱構築するまでもなく落書きにしか見えない。
記号に意味を与えているのは人間の脳なのだ。
ところで女性を眺めていて脱構築してしまうことがある。
グラビアを見ていても生身の身体を見ていても、はてなぜ自分はこの肢体に興味をひかれていたんだっけ、と思う瞬間が訪れたりする。そんなのは僕だけだろうか。
別に禁欲だとか性欲の減退だとか、まして対象に魅力がないとかいう話ではなくてですね。純粋に、意味がわからなくなる瞬間が…所詮この世は認知の集合で、記号論だってこと。そう考えると、急になにもかもあやふやになってくる。

脱構築
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