汝の云(い)うその南山の竹に矢の羽をつけ鏃(やじり)を付けてこれを礪(みが)いたならば、ただに犀革を通すのみではあるまいに
――中島敦「弟子」より
子路が言う以下の問いかけに対しての返答。
南山の竹は揉(た)めずして自ら直く、斬(き)ってこれを用うれば犀革(さいかく)の厚きをも通すと聞いている。して見れば、天性優れたる者にとって、何の学ぶ必要があろうか?
中島敦の文章は明快で歯切れ良く、私の大好きな文章の一つ。
参考:青空文庫
汝の云(い)うその南山の竹に矢の羽をつけ鏃(やじり)を付けてこれを礪(みが)いたならば