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諸君、残念だが、ステープラは前時代の遺物である

文房具をこよなく愛する私が、地上にたった一つだけ、憎む文房具がある。
ステープラ」、またの名を「ホッチキス」という。

ステープラはたしかに魔の魅力を持っている。私自身、昔は愛用していた。中学校くらいまでは、筆箱に入るような超小型のステープラを持ち歩き、カチカチやっていたものである。
複数の書類をまとめて扱いたい、という時にはたしかに便利だし、手軽だし、その割に強力だ。さっと止めることができて、外れない。これは便利、と思う気持ちもわからないではない。わからないではない、が……。

しかし諸君、今、そして今さら、いい年をした社会人が、ステープラ使ってていいものかね! わしゃまことに不服じゃよ。そう申し上げたい。
中学校の時に使っていたものが今もいい、なんて、誰が決めたんだ? え? おい? お前は中二病から一生卒業できない引きこもりなのか? 今じゃ恥ずかしくてとても着れないようなダサいコートが当時のお気に入りだったんじゃないのかい?

はっきし言って、ステープラは社会人として疑問を抱かなかったらウソである。「問題提起能力」を見るために重要な試金石である。「ステープラはキライだ」と言えるようになってこそ、初めて立派な問題提起能力を持った社会人と言える。

なぜかということをひとことで言うなれば、「ステープラはオートシートフィーダと真っ向から対立するから」と言うことになる。

コピー機はOA機器としては既に大御所であり、スキャナは最近やっと市民権を得たOA機器の先端である。そしてさらに情報の門番シュレッダー。今日のオフィスではこの3つが活躍しているし、活躍していなかったら時代遅れにもほどがある。この3つに共通するのが「オートシートフィーダ」、自動で書類を吸い込む機能。ステープラはこれらと真っ向から対立する。(厳密にはシュレッダーはシートフィーダとは呼ばないけど)

ステープラで留めた書類は、コピーすることも、スキャンすることも、シュレッダーすることもできない。かといってこの3つを今日のオフィスで避けて通ることはできないので、ステープルを外すことになる。このステープルがまた、外すときに手間がかかるのだ。付ける時の簡単さと打って変わって大変である。なまじ強力な保持力が裏目に出る感じ。わかるじゃろ?

うっかり間違えてステープルしたままオートシートフィーダに入れてしまったら? 書類はびりびり、シートフィーダは傷つき、シュレッダーは刃がこぼれる。これまた目も当てられない惨事になりかねない。(ステープルごと砕いちゃう強烈なのもいるけどね)

チーズはどこに消えたのかって? いい加減、わかったらどうなのだ。ステープラの時代は終わったのだ。オートシートフィーダが開発され、オフィスに根付き、欠かせないものとなっていく過程のどこかで、ステープラの時代は終焉を告げた

針なしで書類を「縫い付け」るタイプのステープラも出てきているが、枚数の制限が厳しく、実用とはほど遠い。今のオフィスは、ステープルしない保管方法を選択すべきなのだ。それもいずれ、ペーパーレスが到来するまでの束の間に過ぎない。今時こんなの、進んだオフィスじゃ常識だぜ!

私自身はまったくやむを得ない場合(会議でそう要求される場合)を除いてはステープラを全く使用せず、クリアフォルダと個別フォルダ(マニラフォルダ)を活用して書類をまとめている。
……なに? 2穴パンチだって? あの野郎の手間のかかることといったら、ステープラの次に(以下略

諸君、残念だが、ステープラは前時代の遺物である
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