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バルセロナ:色彩都市

本日のBGM
アルバム『謝々Bye Bye』より
種ともこ「BARCELONA」
 山羊を引く少年 澄んだ瞳が
 あなたの目に似ている

Che Che‐Bye Bye¥ 800 (中古品)

バルセロナの街で印象的だったのは、その明るさ、色彩、特にローマとの対比だ。どちらも地中海に近く、ヨーロッパの中でも温暖な部類に入る。緑と青に囲まれた田舎のコート・ダジュールとは趣が違うのはいいとして、石造りの建築が多い都会という点でローマとバルセロナは似通っている。にもかかわらず、比べてみると違いは歴然としている。バルセロナに比べると、ローマはどこか陰気で灰色だ。人も街も冷たい色をしている。バルセロナは明るく、陽気で、色彩にあふれている。その色彩がグエル公園を彩っているのだ。

この違いはなんだろう……と思って、一つには道路の広さにあると気がついた。バルセロナの道は広い。しかもその設計が大胆だ。4車線一方通行だったりする。タクシーの運転手に「なんでこんな道が広いのよ」と訊いたところ「1908年に、ある人物がバルセロナの道路を拡張したんだ。これでもそろそろ狭くなって不便だと言われているんだ」と説明してくれた(ようだ)。なにせ私も運転手も英語が苦手だったので詳しいことがわからないが、帰国したらちょっと調べてみようかと思った。

バルセロナでは、アントニ・ガウディ三昧だった。あの巨大で細かくて荘厳なサグラダ・ファミリア教会。私はビジュアルな想像力がないので、写真ではあの異様が全然理解できていなかった。実物は本当に異様な代物だ。全体に執拗に彫り込まれ、書き込まれた宗教的モチーフは、ちょっとおかしいんじゃないかと思うくらい偏執狂的だ。

グエル公園も、現実にあるとは信じられないような、空想的な公園だった。柱が斜めに立っている建築物など、あまり見る機会はない。ゲームやイラストの世界にいるみたいだった。カミさんはまるで建築家の頭の中を歩いているみたい、と言っていた。

カミさんが見たがった闘牛は、残念ながら日曜しかやっていない(しかも日曜でやってない日もある)ということなので、諦めた。

ちゃんとしたスペイン料理を食べられなかったのが残念。道ばたで適当に選んで食べたパエリャ・ファーストフードはあんまり美味しいとは言えなかった。

グエル公園でも、パエリャの店でも、サングリアは500mlとかそういう巨大な単位で出てきて、カミさんはとても飲みきれずにいた。でも、隣のスペイン人のお母さんはぐいぐい飲んでヘーキそう。ヨーロッパのお人にはかないませんな。

土産物屋で買い物をしたところ、高校生くらいの純朴な男の子が、慣れない手つきで一生懸命に包んでくれたのが印象的。包装を誉めると真っ赤になって謙遜した。人当たりの優しい、いい若者だ。彼の人生が幸福だといいなぁ。

バルセロナ:色彩都市
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