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『ハッピーラッキー 毎日が幸せ!心の美人になる魔法の心理術』内藤誼人

川崎市中原図書館で仕事の資料として借りた本。
心理学の実験データに基づき、「毎日ハッピーな気分で生きるためにはどうしたらいいか」を教えるお手軽な心理術を紹介している。


心理学というのはさまざまな実験がつきものだ。私も大学時代、教育心理を学んでいる友人に頼まれて、いくつか簡単な実験を受けたことがある。終わった後で結果も一応教えてくれるので、楽しかった。大まじめに答えたアンケートが、実はまったくナンセンスなひっかけで「これであなたの○○○についての考えがわかります」だったりとかね。

心理学の世界では、そうした実験を通して、さまざまな研究がなされている。この本は、非常に直線的に短絡的に「ハッピーに生活するには」というテーマにそってさまざまな実験結果を紹介しているわけだ。
たとえば「どこそこ大学のだれそれ教授の実験によると、朝20分間の散歩をするとハッピーになれる」だとか、「どこそこ大学のだれそれ教授の研究によれば、人生において選択肢が多い人は、選択肢が1つの人よりもハッピーになりにくい」とか、そういった面白い実験結果がたくさん紹介されている。

内容は非常に実践的というか、現世利益的、即物的な印象。紹介されている“ハッピーのコツ”に難しいものはまったくなく、ちょっと試してみるだけでなんとなく気分が晴れやかになる。プラシーボ効果もあるだろう。でもまぁハッピーとアンハッピーの区別なんてもともと確固たるものじゃないんだから、プラシーボだろうと何だろうとハッピーには違いない。

厳密な意味での学問性には若干疑問を感じる点がなくはない。たとえば「ハッピーな人は将来の展望を持っている」という実験結果があったとして、「だから将来の展望を持てばハッピーになれる」という結論は、論理的には正しくないのだ。「日本人は髪が黒い。だから髪が黒いのは日本人だ」というような間違いである。
でもまぁ、本の内容に鑑みて、そうした点がマイナスになることもなさそうだ。読んでいい気分になる本だというのは確かだし、細かい点には目をつぶろう。それに、この本によると、どうやら細かい点を気にしない方がハッピーになれるらしいし……。

『ハッピーラッキー 毎日が幸せ!心の美人になる魔法の心理術』内藤誼人
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