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『夕凪の街 桜の国』 こうの史代

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この本は、本棚にあって恥ずかしくないご本です。みんな買って本棚に置くように。

先日、友人CFT氏と久しぶりに電話したところ、彼はこの本を薦めてくれた。私は戦争物は正直苦手なのだが、CFT氏の薦めとあっては無下にできない。彼と私は趣味が近いのだ。

読み終わって、なんだかほっとした。恐れていたほど、怖い話でもなかった。悲惨な絵もそれほど多くなかった。むしろ線はほっそりと繊細で、美しかった。
だけど、読み終わって、それで終わってしまう話でもなかった。

原爆が一つの街をどのように変えてしまったか。そして残された人々がどんな思いで暮らしてきたか。

作者自身が「広島にいながらヒロシマについて知ることを避けてきた」と書いているように、僕もヒロシマに深く触れることは避けてきた。でも、この本はそんな人でも、読める。そして、一番大切なこと――戦争の底に隠されてしまう「人の気持ち」というもの――について想いを馳せることができる、一冊だと思う。

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『夕凪の街 桜の国』 こうの史代
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