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『幸福な食卓』

同名小説の映画化。不完全燃焼の感があるね。この映画を観ると「原作の小説はもっと面白いんだろうなぁ」というのが想像されるため、原作を読みたくなる。その不完全燃焼は、役者のせい(だけ)ではなくて、むしろ脚本だとか、演出だとか、そういうスタッフの問題のように思われる。

◆幸福な食卓(映画公式サイト)
http://ko-fuku.jp/pc/

以下ネタバレ。

ありがちなあらすじ紹介。中3~高1の多感な少女の視点から、奇妙な家族との愛情、淡い恋の顛末を描いている。あらすじだけ書くとホントにありがち過ぎる感じだけれど、描かれているモチーフは独特で、見ていて面白い。いくつかの主題が絡み合い、良い味わいを出している。
ただ、この映画、さまざまな主題があるにもかかわらず、観客が納得できる形にまで決着してくれない感じ。“腑に落ちない”と言ったらいいだろうか。あの主題、この主題が散りばめられているのはいいのだが、それらが一つ一つ解決していくとか、あるいはそれらが次第にまとまって一つの絵になるとか、すべての糸がほどけるとか、そういった結果にならないで散漫なまま終わってしまう気がする。おそらく、原作の小説ではもうちょっと何らかの形になっているのではないか、ということが予想されるだけに、残念。というわけで、これを観ての感想は、「原作を読んでみたい」ということに落ち着いた。

役者が全体に若く未熟ということもあるけれど、それはまぁ作品のみずみずしい味を出していると言えなくもない。全体に今ひとつなのは、おそらく脚本、演出などスタッフ側の問題じゃないかと思うんだけど。主題歌の使い方もイマイチだし。

原作は↓ね。


幸福な食卓 (講談社文庫)¥ 572

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