恵比寿ガーデンプレイス内にある、東京都写真美術館で行われていた文化庁メディア芸術祭。文化庁主導でインターメディアな芸術を展示する。恋人に誘われたのと、ゲーム関係の名前がちらほら載っていたので興味が湧いて観に行くことにしたのだが、予想をはるかに超えて面白かった。無料だしね。
※なお以下の文中のリンクは必ずしも文化庁メディア芸術祭のサイトではなく、個々の作品に関する情報が得られるサイトを探してリンクしている。
面白かったものを列挙すると、まず、[素数ホッケー]。因数分解をテーマにしたエアホッケー風のゲーム。上から降ってくる数字のうち、素数だけを手前に流し、それ以外のものは手に持ったパックで打ち返す。打ち返した数字は因数に分解される。素数になったら手前に流す。流した素数は、その数字がそのまま得点になる。ただし、素数でないものを手前に流してしまうとその分減点され、うっかりすると0点のままゲームを終えることになってしまう。2、3、5辺りはともかくとして、31とか37、59などになると判断に迷ってしまう。小学生に少し遊ばせたら、素因数分解を全部覚えちゃいそうな教育的なゲームだ。
お台場のリスーピアという施設で遊べるらしい。リスーピア自体もなかなか面白そうだ。
[hanahana]という作品。壁際に立っている棒と、その脇の皿。プロジェクタによって壁にその影が投影されている。皿の上に香水をつけた厚紙を置くと、香りに応じた花が棒の先に投影される仕組み。香を視覚化した花だ。
[言琴]。シロフォンを叩くと、壁に投影されたプロジェクタに文字が降ってくる。落ちてくるのは「ぽ」「た」「り」「と」などの文字で、順番によっては擬音になる。また、叩く大きさなどによって文字の大きさも変わる。
一番驚いたのは、[Save YourSelf !!!]と題した作品の、揺れを人間の三半器官に伝えるヘッドセット。耳の後ろに電極を当てることで、人間の三半規管に影響を与えることができるのだそうだ。水の入ったボウルに小舟を浮かべ、そのボウルを運ぶゲームをしていた。小舟が揺れると、その振動が三半規管に影響し、人間をふらつかせる。デモンストレーションに参加した人はホントに足下がフラフラしていて、酔っぱらったのかと思うくらいだった。こんな簡単に人間の感覚に影響を与えられるのかと思うと、びっくりだ。ヴァーチャル・リアリティも近くなってきたってことか。
映像作品では、「おしゃべりの花」(だったかな?)という作品が面白かった。二人の少女の喋る声に合わせ、その後ろに会話のイメージが浮かぶ。ところが二人のイメージには相違があり、話している内容が完全には伝わっていない。そのインフォメーションギャップを映像化していたのが良かった。
地下には過去の受賞作品である漫画がいっぱいあって、立ち読み歓迎状態になっていた。
3月7日で終わってしまったけれど、非常に面白かった。来年も行われるなら、行ってみたいな。
◆文化庁メディア芸術プラザ