『ソロモンの鍵』は、ファミリーコンピュータで私が持っていたソフトのうち、最高によくできた、最高のアクションパズルゲームである。
→ソロモンの鍵 – Wikipedia
→VCソロモンの鍵
→ソロモンの鍵 37分04秒 全面クリア(1/4) – YouTube
■ファミリーコンピュータで最もグラフィックの美しいゲーム
ゲームは見た目が第一だ、などという人間はまず、あまりいない(もしそうなら、ゲームなんかやってないで美術館に行けばいい!)。それでも、見た目が美しいゲームというのは、実に素晴らしい。
最近のゲームはポリゴンを描画するのが主流で、3Dでいかに美しく表現するか、ということに主眼が置かれている。ファミリーコンピュータの時代の、いわゆるドット絵という文化は傍流になりつつあり、細々と生き残っている文化的遺産である。つまり20年前のゲーム画面の美しさは、さながら骨董的美しさである。
そうした骨董的なグラフィックが美しいゲームの最高峰、と言っていいのが『ソロモンの鍵』だ! ドット絵師が少なくなっているという昨今、もうこんな絵が描ける人間はいないんじゃなかろうか。言い過ぎか。
でも、ファミコン当時、他にこんな素敵なグラフィックのゲームを、見た覚えがない。絶妙なデフォルメとファンタジー感。同じテクモのゲームでも、他に同種のグラフィックが見当たらない。いったいこのゲームを作った絵師は、今どこで何をしているのだろうか。あなたはすごい、と言ってあげたい。
残念ながら手元に画像はないので、リンク先を参照して頂きたい。
■2D で見る冒険ファンタジー!
動画で見て頂ければわかると思うが、キャラクターの動きも実に細かい。走る主人公ダーナのマントのひらめきまで見える。
ブロックの一つ、アイテムの一つでさえ丁寧に描かれている。
ダーナの登場シーンも美しく魔法的だ。円を描いて星が集まり、その中からダーナが登場。鍵を手に入れると、導くように一つの星がドアに飛び込み、鍵が開く。開いたドアに入るとダーナは飛び散る星の中に消える。すべての効果音もきらびやかで美しい。
こうして生き生きと、ファンタジーの息吹に満ちた部屋の中、敵の追撃を間一髪でかわして進む様子は、さながら2D の冒険ファンタジー映画。ゲームをやりながら、絵画的な世界に引き込まれていく。
パズルゲームとしての完成度ももちろん一級品。隠し要素もふんだんで、ゲームの雰囲気に即したものとなっている。禁断の呪文書「ソロモンの鍵」そして捕らわれた王女リヒタを救出した時の興奮といったら!
名作の名にふさわしい、ファミコンソフトであろう。