『アヴァター』

カミさんがDVD借りて『アヴァター』を見たいという。なんか3D映像でやたら話題になっていた印象があるけど実際中身がどう何なのか見るまで全然知らなかった。『サマーウォーズ』みたいなネット上の話かと思ってた(笑)

傷病退役した車いすの主人公ジェイクは、強盗に殺された双子の兄弟の代役として、惑星パンドラへ赴任することになる。兄(か弟か知らないが)は生物学の科学者で惑星パンドラの調査に参加することになっていた。パンドラで運用されている「アヴァター」の登録には遺伝レベルの調整が含まれており、同じ遺伝的形質を持っている主人公には、兄の「アヴァター」に適正があるという。科学者ではないものの、高価なアヴァターを無駄にするよりは、という経済的な判断でジェイクは採用され、科学者たちの護衛役として活動を共にする。一方ジェイクとしては、不自由になってしまった自分の足の代わりに、アヴァターを使って再び地面を踏みしめてみたいという興味があったわけで、科学者たちには頭空っぽと揶揄されながらも、アヴァターへの高い適性を見せつける。

このアヴァターは原住民ナヴィの肉体を模して作られており、彼らとの交流を目的としていた。調査中に獣に襲われて森に迷い込んだジェイクは、原住民の娘ネイティリに命を救われる。地球人のうち資源開発をもくろむ強硬派と通じたジェイクは、ナヴィの信頼を得るべく彼らと生活をともにするが、次第に彼らの生活、そしてネイティリにひかれていく。
以下ネタバレ

惑星パンドラの森の映像が美しい。光の使い方がとても印象的・神秘的だ。でもどこかで見たような……と思っていたら、これって典型的なジブリなのであった。舞台設定も、ストーリーも、絵コンテも。そうか、わかったぞ、ラピュタは本当にあったんだ、じゃなくて、ジブリをきちんと作れば、世界中でウケるんだ。誰もがみんなジブリを作ればいいんだな?(極論)

原住民ナヴィ(そしてアヴァター)の髪の毛に装備された「絆」の概念が面白い。一種の情報交換ケーブルが頭から出ていて、騎乗動物(馬、竜)と自分をつなぐことで意思疎通ができる。ある種の情報交換(交感)にも使えるみたい。てっきりジェイクはネイティリと(以下略)。
イクランとの精神感応、そして飛行戦闘のシーンは『パーンの竜騎士』を思い出すなー。まぁよくある設定なんだろうけど。
あと他作品との比較で言うと、「ユグドラシルの倒壊」というシーンは、星野之宣『残像』でもあった。やはり宇宙のどこかには巨大な樹があって、世界を支えているんだろうか。
少々テーマが大味なとこはあるけど、映像も、ストーリーのテンポも良く、面白かった。

『アヴァター』