01/07(水)の日経に、ロボットの記事が載っている、と同僚が教えてくれた。
→(働きかたNext)(6)「ロボット失業」怖くない 人の仕事のトモダチだよ :日本経済新聞
私が小学校6年生の時に図書館で読んで熱狂的にハマっていたのが、アイザック・アジモフ『鋼鉄都市』で、これはその年、一番好きな本だった(翌年、ハインライン『夏への扉』に抜かれるまでは)。
後年、文庫本を読みながら「はて、既視感あるな」と思っていたけれど、たまたま市井の図書館で少年少女世界SF文学全集版を読む機会があって謎が解けた。少年少女世界SF文学全集版は、子供向けとは思えないほど高度な内容で、文庫本の内容ほぼそのままと言ってもいいくらいだった。福島正実は子供を馬鹿にして程度を落としたりしなかったのだ。
『鋼鉄都市』の地球では「ロボットが人の職を奪う」と認識されており、ロボットは恐怖と憎悪の対象だ。無害な靴屋の接客ロボットが暴動の引き金になりかねない。
上記の記事が言う通り、ロボットにできない仕事はある。靴屋の接客ロボットに人間なみの接客ができるようになるにはまだだいぶ時間がかかるだろう。でも単純労働が人から取り上げられてしまうことは間違いない。たとえ人が単純労働をしたいと思ったとしても、だ。
果たしてすべての単純労働を取り上げられたら、本当に人は、より高度な仕事に転換できるだろうか?
アジモフが書いた続編『はだかの太陽』では、単純労働をすべてロボットが行う、惑星ソラリアが舞台となっている。
この世界の社会学者によれば、「古代ギリシャは奴隷によって単純労働から解放され、高度な精神世界を実現した。今や人類は奴隷制度ではなく、ロボットに単純労働をまかせられる。人間は高度な思索にふけることができる」という。
ただし、惑星ソラリアは異常に人口過疎な社会で、「過剰な労働力」というものが存在しない。出生率も人口出産によってコントロールされていて、失業者のいない社会だ。人が超・過密になった『鋼鉄都市』の地球とは違う。一足飛びに地球はソラリアになれない。
我々の選ぶ未来のどこかに、地球と惑星ソラリアへの分岐点があって、我々がそれを選ぶことになるのだろうか。「トモダチだよ」は結構だが、トモダチであることには、相応の努力が必要な気がする。
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