初の民間校長として、都内の中学校で教育改革に努めている藤原氏の著書。僕の周りで藤原氏に縁のある方が若干名いて、僕自身、一度だけ、実物にご挨拶をする機会に恵まれた(中学校の囲碁教室にアシスタントとして参加したのだ。囲碁のルールを知っている社会人で、しかも平日昼間に体が自由になる人間はそういない)。その関係で、恋人さんが「読みなよ」と貸してくれた本。
「論理的な結論」というよりも、藤原氏の個人的体験に基づいた実感で書かれている。だから「正しいか?」と言われると、きわだった論拠のようなものはない。ほぼ直感である。にもかかわらずこの説得力はどこから来るのか。
それはやはり実体験の重みというものなのかもしれない。藤原氏の過ごしてきた時間が濃密で、それについてしっかりとつかみ、考えてきたという事実が、この本の裏付けとなり、説得力を持っているのだろう。また、実行が伴っている点も大切だ。論じるだけでなく、彼は実際に行動して結果を出している。そのことが説得力を増しているのだろう。
真似しようとは思わない。だって、僕は彼の人生を送っているわけじゃない。でも、参考にはなる。
この本自体はなぜかSeesaaのアフィリエイトにはひっかからない。絶版なのかな。藤原氏の他の本↓。
『[よのなか]入門』藤原和博