赤坂ポートカフェで行われた、ディジュリドゥライヴへ行ってきた。
ディジュリドゥは1000年ほど前からオーストラリアの原住民アボリジニの間で使われ、最古の木管楽器とも言われるものだそうだ。演奏する哲J氏は、映画音楽なども手がけるディジュリドゥの第一人者らしい。オーストラリアのメルボルン在住中にディジュリドゥに出会い、現在ではオーストラリアの原住民アボリジニのマスターについて指導を受けているという。
→ディジュリドゥ(イダキ・ディジュリボーン)奏者 哲J 公式サイト
ただでさえ長いディジュリドゥなのに、狭い店内とあって、超至近距離での演奏を聞くことができた。心地よい低音がお腹に響く感じで気持ちいい。
高音と低音の2つの基本の音に、唇の動きなどで変化を付けていく。長く伸びる低音はホルンやオーボエのようでもあるし羽蟲の羽音のようにも聞こえる。短いリズムを刻んでいるとまるでボイスパーカッションのようだ。
曲は「レッドカンガルー」「西風」「精神」「こだま」など。アボリジニの伝統曲のほか、オリジナル曲も含めてさまざま。
本来のディジュリドゥはシロアリで空洞になったユーカリの木を使って作られるものらしい。儀式などでも用いられ、30~60秒の短い曲をつなげて長い一連の曲にしていくのだそうだ。一種の組曲のようなものか。
アボリジニの生活に関する哲J氏の解説も面白かった。葬式の形式やアボリジニの家族制度などについて、面白い話をたくさん聞くことができた。
アボリジニのお葬式では、人を生まれた場所に戻す、という過程を踏む。場所だけでなく、時間的なこと、出来事なども記録されるという思想があるようで、死からさまざまな出来事・場所を遡り、生まれた場所まで魂を導くのが葬送の儀式になる。ソングマスターが歌い、ディジュリドゥが伴奏し、故人のさまざまな場面を歌い次いでいく。
アボリジニでは家族かよそ者かの2種類しか区別がない。家族でない者にはアイデンティティがない。そのため、何度か訪れて親しくなるとその者を家族にする必要性が生じる。ある日突然、adopt(養子縁組)され、家族の一員になる。家族制度が非常に細かく整備されており、たとえばいくつかpoison cousinと呼ばれる関係が決まっていて、poison cousinに当たる家族とは口をきいてはいけない禁忌がある。
演奏もお話も含めて、非常に興味深いライヴだった。哲J氏の話し方も落ち着く感じで、好感。
5月の下旬にはワークショップもある。ぜひ行ってみようと思っている。
◆5/23 哲J ディジュリドゥ ワークショップ@ 赤坂港カフェ / 赤坂ポートカフェ 【 CAFE / SCHOOL / MUSIC / ART 】東京都港区 赤坂・六本木
ちなみに、カミさんが購入したCDをライヴの後に聞いていたら、トランス系の音楽に近いのだな、と気づいた。眠くなりそうなこの感覚。
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4/24 哲J ディジュリドゥライブ@ 赤坂港カフェ / 赤坂ポートカフェ 【 CAFE / SCHOOL / MUSIC / ART 】東京都港区 赤坂・六本木
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