会社の人が、人事書類を人に見られないように隠したいということで、依頼を受けた。与えられた条件としては、
- ちょっと席を離れた時などに、別の人に見られたくない
- 特定のフォルダの中に書類は集めてある
ということ。
ネットで探してみたところ、「人に見られたくないファイル」を処理する方法はけっこうたくさんある。
まず、除外しなければならないのは、WindowsXPのマルチユーザー向けのプライバシー機能だ。これは、一つのPCに複数ユーザーのアカウントを作って、それで利用している場合に関係する話。シングルアカウントで利用している場合には無関係だ。
◆「プライベートフォルダ」機能
普通のフォルダは、別ユーザーアカウントでPCを利用している場合でも中身を見ることができる。もうちょっと具体的に言うと、USER1が作ったフォルダの中身は、USER2も見ることができる。しかしプライベートフォルダにすれば、別ユーザーアカウントから中身を見ることはできなくなる。USER1だけが見ることができ、USER2には見えない。
この方法は「誰かが自分のPCを勝手に使う（自分のアカウントで）」という場合には、当てはまらない。ネットで「人に見られたくないファイルをどうすべきか」という場合に、この回答をしている人間は、たいてい相手の話をよく聞いてない粗忽者だ。
◆「暗号化フォルダ」機能
これもマルチユーザー対象の機能。あるフォルダを暗号化し、他のユーザーから読み取れなくする。しかし暗号化した本人のアカウントでは、まったく通常のファイルのように読むことができる。
この方法も「誰かが自分のPCを勝手に使う（自分のアカウントで）」という場合には、当てはまらない。
さて、それではやっと「誰かが自分のPCを勝手に使う（自分のアカウントで）」のを防ぐ方法。
その１。Windows標準の機能で、ファイルを見えなくする。
◆隠しファイル属性を設定する
参考：隠しファイルに設定する
これには「フォルダオプション」コントロールパネルと、ファイルのプロパティの２つが関係している。まず「フォルダオプション」詳細タブで「隠しファイルおよび隠しフォルダを表示しない」というオプションを選択。それからファイルを右クリックしてプロパティを選択し、「全般」タブで「隠しファイル」にチェックする。
もともとこの機能は、消費者が勝手にシステムをいじって壊さないよう、システム用の重要なファイルを隠す用途で使われているもの。
またそのファイルを見たくなったら、フォルダオプションで「全てのファイルを表示」するようにすれば良い。
◇メリット：システム標準で実現できる。見えないので気づかれない。
◇デメリット：誰にでも解除できる。コントロールパネルをいちいちいじるのが面倒。PC中級者なら、まず「全てのファイルを表示」するのが普通なので、たやすくバレる。
その２。圧縮ファイルのパスワード機能を利用する方法がある。
◆ZIPファイルにパスワードを設定する
参考：ZIPファイルにパスワードを付ける － ＠IT
この方法なら、そうたやすくは見られない。まぁ相手がよほど本気で中身を見たいならともかく、ちょっと出来心程度ならのぞかれる心配はなさそう。
◇メリット：比較的簡単に実現できる。パスワードが必要なので割と安心。
◇デメリット：書類を読んだり編集したりするたびに毎回解凍・圧縮するのは面倒くさい。
その３。オンラインソフトを使って
ZIPも以下のソフトも同じだけれど、パスワードを使ってファイルにロックをかける場合、パスワードを忘れたら回復の手段は永久に失われると思った方がいい。慎重に、自己責任で。
◆隠す
◇なっちゃんのオンラインソフトの部屋：ファイルとフォルダの神隠しⅡ
このソフトはファイルを一時的に見えなくする。これなら自分のPCをのぞきこんだ人にも怪しまれることなく、ファイルを隠すことができる。
思うに、見えないということは、意識されないということで、ファイルを隠匿するのには好適だと思われる。webには「完全に隠すわけではないです」という注があるが、見えなければ興味を引くこともないので、そう強固にロックする必要のなさそうに思う。
◆暗号化ソフト
書類を暗号化して、パスワードをかけちゃうソフト。ZIPファイルと同じようなものだけれど、圧縮がメインのZIP系ソフトと違って、機密保持が目的なので、インターフェイスもそれなりに使いやすいものがある。
◇アタッシェケース
一番インターフェイスが洗練されている感じがする。設定をいじれば、ファイルを開け閉めするくらいの感覚で使うことができそう。
◇Chaky
同じフォルダの中にあるファイルを暗号化するという、ちょっと変わった暗号化ソフト。DVD-Rなどに焼いて人に配布することができて便利らしい。
◇Microsoft Private Folder
Download Microsoft Private Folder 1.0 – Microsoft Private Folder is a useful tool for you to protect your private data – Softpedia
マイクロソフト謹製の暗号化ソフト。強固なロックのおかげで解除できなくなる人が続出し、公開を中止したという曰く付きのシロモノ。まぁ暗号化する以上、パスワード忘れたらいけないのはどのソフトでも同じだと思うんですけども。利用方法については「Private Folderでファイルを暗号化して保護する － ＠IT」を参照のこと。
