いろいろ新規まき直しをしたい、という気になった。
ことの起こりは、はてなブログに書いている日記の更新を見直したことにある。はてなブログはAPIがあるので、VisualStudioCodeから編集できるね、ということに気付いたのが先月のこと。私自身の技術レベルが上がったこともあり、APIを使うシステムの構築が案外簡単にできあがった。
それではてなブログの更新性が著しく上がって、日記と同じくはてなブログに置いている技術ブログも更新しなければな……と思い始めた。
で、それ以外のブログはWordPressに置いてるんだけど、たまたまPHP8にバージョン上げたらブログが全部停止してしまい、あわてて原因を確認して、WordPressを再開させた。それで、ブログもちゃんと書いていかないとな……とも思い始めた。
書き物といえば、カクヨムや文芸同人誌『有象無象』に書く物語も書き物なわけで、これは今までUlyssesというMacアプリで管理しているんだけど、先日、AdobeInDesignで組版してみたら縦書きが思いのほか気持ちよく、なんかそういうアプリないかな……と探したら、VisualStudioCodeで小説書いて縦組みでプレビューできるプラグインがあった。いくつかあったけどnovel-writer
というプラグインが一番知名度(SEO度?)高そうなので、それにして満足。
となるとUlyssesの存在意義が問い直されることになり、そもそもUlyssesの一番の良さって、WordPressに直接アップロードできることじゃね?と思い至った。Ulyssesは「独自拡張のマークダウンで書いて、ブログやさまざまなフォーマットに出力」という思想がフレキシブルな文書管理システムであり、カクヨムとか同人誌の原稿の置き場所にふさわしいか……というと、まあ別に悪くはないけどメリットを活かしきっているわけではない、という感じがしてきた。
UlyssesをWordPressの原稿置き場として再生させようか。
他にもあれこれ始めたいことがあり、そのために少しくらいなら金額をかけてもいいかもな、とも考えており、あれやらこれやら、やりたいことがポロポロと脳内からこぼれ落ち始め、拙いメモを書いては消し、拙いノートを書いては消し、しているうちに、これは、強いプロジェクト管理アプリが必要だ、と考えるに至った。
簡単なToDo管理なら、今はiOSの「2Do」に落ち着いているんだけど、今一つ、Mac版に踏み切れずにいる。悪くないけど決め手がない。大きめのプロジェクトを動かすならもうちょい、機能のあるものがいい。できればGoogleカレンダーと連携したい。カレンダーに作業予定時間を入れて、終われば消すし、終わらなければ延期して別の時間枠をさらに割り当てたい。
以前こういう用途で使っていたのはClickupというアプリで、これは非常によく出来ている。もしいま仕事で、なんでも好きなプロジェクト管理ツールを導入して良いと言われたらClickupにするだろう。多機能だし、その割に整理されていて使いやすいし、動作も重すぎず、なかなか良い。
ただ、せっかくこういう機会に導入するのなら新しいものも検討したいな……というわけで、やっとこさ本題、プロジェクト管理アプリの比較検討に入りたい。
ちなみに無料のものを選ぶというよりは、多少費用がかかっても高性能なものを使いたいので、無料プランに関する情報は以下皆無。
要求事項
- Googleカレンダーと連携し、作業時間をタスクにひもづけることができる。できれば双方向同期。
- Mac、iPad、iPhoneから使える。Windowsでも使えればなおよし。モバイルの閲覧性や操作性も評価対象。
- 買い切りなら嬉しい。サブスクも可。
プロジェクト管理アプリ
- Clickup
- Googleカレンダー/タスク
- Structured
- TickTick
- fantastical
Name | 費用 | URL |
---|---|---|
Clickup | $84/年(約12,559円) | ClickUp™ | One app to replace them all |
Googleカレンダー | 無料 | 共有可能なオンライン カレンダーとスケジュール設定 – Google カレンダー |
Structured | ¥6,600(買い切り) | Structured – Daily Planner |
TickTick | ¥5,000/年 | TickTick:タスクを効率的に完了し、時間を計画するのに役立つアプリケーション |
fantastical | ¥10,008/年 | Flexibits | Fantastical — The calendar and tasks app you won’t be able to live without. |
Clickup
Clickupについては、以前有料プランで使っていたのでだいたいわかっている。
一言で言って全方位に隙が無い。
- タスクやフォルダ、サブフォルダなどの構成がよく練られていて使いやすい
- データの項目数が多く、整理がしやすい
- (有料プランでは)プラグイン的に追加できる機能がたくさんあり、幅広い用途に適応できる
- 連携できるアプリ、サービスが多い
- Viewも豊富で、目的にあった画面を作ることができる。
正味、「これでいいじゃん……」って話ではある。
Googleカレンダー+Googleタスク
Googleカレンダーの連携という意味だけでいえばGoogleタスクでいいじゃん、という話になる。ただ、要件に対して最適化というとそうでもない。
「1時間」とか作業の時間枠を作りたいのだけれど、Googleタスクは開始時間だけで、枠をとることができない。Googleカレンダーの予定はタスクではないので、簡単に「完了」にすることができない。
カレンダーを「実行中」「完了」に分けて完了した予定を「完了」カレンダーに移動するとか、「赤は実行中、グレイは完了」と色で定義して完了したカレンダーの色を変えるとか、運用でカバーすれば使えないことはないが、あまりリッチなタスク管理にはなりにくい。
Structured
タイムラインを中心にタスクを追加していくタイプのアプリ。画面もデザインされて綺麗に整理されているように見える。
ちょっとMacで無料版を入れてみたが、アカウント作らずすぐ利用できるのはありがたい。気軽に試せる。
タスク作成時に時刻、所要時間を入力するのがデフォルトで、終日予定や、時刻なし(INBOX内に配置)も作成できるというのが、時間枠重視の思想が見えて良い。
シンプル志向なので、タスクの管理があまり充実していない点は人を選ぶ。プロジェクト単位で処理をするような機能は用意されていないっぽい。タスク>サブタスクという1段階の階層構造のように見える。
コレで十分、という人も多いこととは思うけれど、私のニーズとはちょっと合わない。あ、日常の作業管理ならこれで十分かな。
TickTick
これもタイムライン重視のタスクアプリ。Macに入れてみた。
タスクの記述をマークダウンでできるようだ。これはちょっと面白い。タスクでありながら、ノートでもある。画像を挿入することもできるようだ。ハッシュタグも付けられるし、他のタスクへのWikiリンクも可能。
ただ、無料の範囲ではカレンダービューやタイムラインビューは見られなかった。
ふとマークダウンのチェックボックスがどう表示されるのかと思ったら、ちゃんと階層化で表示される。
構造がちょっと複雑だ。
1つのタスクは1つのマークダウンファイルになっていて、「ノートとして表示する」か「チェックリストとして表示する」かが切り替えられる。
「チェックリストとして表示する」場合、マークダウンの各行は書式にかかわらず「チェックリスト」の項目として扱われることになっているようだ。その場合、マークダウンのチェックボックス書式は生のテキストに展開され- [ ]マークダウンのチェックボックス
のようにテキスト表示され、その行頭に「チェックリスト」としてのチェックボックスが表示される。
一方「ノートとして表示する」場合、マークダウンのチェックボックス書式がパースされ、マークダウン形式のチェックボックスとして表示される。階層構造も再現される。
それとは別に「サブタスク」があり、これは「チェックリスト表示」でも「ノート表示」でもチェックボックス付きで表示される。このサブタスクは中央のタスクビューでも表示される。
「ノート表示」をうまく活用すれば、けっこう複雑なタスク構造でも使えそうだ。ただ、整理されたキレイな表示というよりは「運用でカバーしてます」感がある。利用者の工夫次第でいろいろできそうな点は好感が持てる。
カレンダー機能が無料プランにはないので、「カレンダー統合のタスク管理」というより、「Wikiの見え方をうまくタスク管理・カレンダー表示に統合した」という感じがある。
Fantastical
カレンダー中心のタスク管理ソフトと思っていたが、基本的にはカレンダーだった。
起動するとまずいくつかの権限取得が続く。
続いてサインアップ
サインアップするとアカウントキーが表示される。iCloudアカウントが異なっていてもこのキーがあれば同期ができるということのようだ。
次にプレミアムプランのご紹介が続く。同じ会社の製品であるCardhopとセットになっていて、そちらのプレミアム機能もアンロックされる模様。Cardhopは連絡先を拡張するアプリらしい。
次にお待ちかね、カレンダーの設定。Mac内のカレンダーを探してくれる。私のMacのカレンダーは、Googleカレンダーからインポートしているだけなので、ここはパスして後ほど直接Googleカレンダーと同期することにした。
通知の許可とバックグラウンド実行の許可。
これでようやくカレンダー画面に到達することができた。
設定画面からGoogleアカウントを追加し、利用する「カレンダーのユーザー」を選択する。
この選択が終わると、画面上にすべての……選択しなかったGoogleカレンダーも含めて……カレンダーが表示される。あまりにも個人情報にあふれており、画面をお見せできない(苦笑)
先ほどカレンダーを選択したように思えたが、「カレンダーのユーザー」を選択すると画面にはあり、この辺りのルールがよくわからない。
カレンダーを非表示にするのはプレミアム限定機能だそうだ。たしかにフリープランでも使えるし、隠したいならプレミアムへ、というのはなかなかいい落とし所かもしれない。
Googleカレンダーの画面同様、Googleタスクもちゃんと表示されている。
とはいえ、基本的にはカレンダーソフトで、「タスクの時間枠をとって解決していく」というソリューションではない。Googleカレンダーや純正カレンダーの拡張という位置づけで、今回の私のソリューションではない。
まとめ
結局、Clickupでいいんじゃない……? という「検討した甲斐のない」結果になってしまった。
TickTickの独特のデータ構造は面白かったので、それが収穫か。Mac版では上記のようにノートをいじれたが、iPhone版やiPad版はどうなっているのか、ちょっと興味はある。しかしプロジェクトに採用するにはクセが強すぎて踏み切れないというのが正直なところだ。ハマればすごいとは思うが……。