一筆箋というのはかなりニッチな文具なのかもしれない。猫も杓子もメールを使う時代、便箋を使う機会自体、昔に比べたら少なくなったと思う。
いやニッチというよりも認知度が低いのだろうか。少なくとも僕に関して言えば、便箋を使う頻度よりもよほど一筆箋を使う頻度の方が高い。特に仕事で、何か書類、例えば請求書などを郵送する時にはまず間違いなく一筆箋だ。とりたてて長文を書く用事があるわけではないから、便箋ではいかにも余白が寒い。何も入れずに封筒に「請求書在中」と書けば用は足りるが、それも無愛想で気が引ける。そこで一筆箋にて一筆啓上つかまつる。
ところがビジネスでの使用に耐えうる一筆せんというのは貴重だ。一筆箋というのは、女、子どもが文通に使うか、老人が一句詠むか、どちらかしかないらしい。ビジネス用途ではLiFEが作っている「きぬめ」がまず定番で、それ以外には見当たらない。
先日「ギリギリビジネスにも使えるかも」という感じの一筆箋を見かけた。「森のキモチ」という一筆箋だ。midoriという会社が作っているらしいが、緑色にこだわるわけではなくて青の「海のキモチ」、ピンクの「花のキモチ」と三色のカラーバリエーションがある。一筆箋だけでなく普通の便箋などもあるみたい。
ビジネスで使えるといっても僕のようなむさいおっさんが使うにはややビミョウ。でも色合いが感じいいし、相手を選んで送る分には和んでもらえるかも。
一筆箋「森のキモチ」