花 ―美と生命のイメージ展@横須賀美術館

20090503_113216.JPG横須賀美術館は緑の芝生を敷き詰めた前庭と、オープンテラスのカフェを備えた、白い綺麗な建築物。山の斜面に建っているので、屋上からそのまま裏山の散歩道へつながっている。内部もちょっと入り組んでいて、なかなか面白い構造になっている。


今の企画展は「花 ―美と生命のイメージ展」。植物を育てて絵手紙に描くのが大好きな母や、休日というと高山に出掛けて植物写真を撮る兄1にとってはまさにうってつけの展覧会。
私はというと、地誌的な観点からの植物を集めた第一章はあまり心ひかれなかったが、大正・昭和の細密描写を集めた第二章、1920~30年代の図案化された植物を扱った第三章、抽象化された植物をテーマにした第四章では、いくつかいい作品に出会った。
榊原紫峰「梅花群雀」、速水御舟「桔梗」、松林桂月「春宵花影」、板谷波山「葆光彩磁チューリップ文花瓶」 番浦省吾「草花図漆彩衝立」、長谷川潔「枯れた野草」「薔薇と封書」「薔薇と時」、高橋節郎「陽春賦」
中でも、須田悦弘氏の作品展示の仕方が面白かった。「チューリップ」もちょっと見つけにくい場所に展示されていて、うっかりすれば気づかない場所にあるのだが、「菫」(すみれ)と「雑草」はどこにあるのかわからず、後でキュレーターズ・トークの中でやっと場所を知ることができた。なんと、展示順路の外からでなければ、見ることのできない場所にあった。もちろん、須田悦弘氏本人の希望により、とのこと。後で調べてみたところ、須田氏は展示の仕方そのものに大変こだわりのある人物らしい。
横須賀美術館には谷内六郎館が併設されており、彼の雑誌表紙作品を中心に見ることができる。添えられている文章も詩的というか、独特のリズムを持った文章で、のんびりした気分にさせてくれた。
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横須賀美術館

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