なかなか面白かった。トーベ・ヤンソン自身による挿絵の、原画、習作などがメイン。若い頃の挿絵作品などもあった。ムーミンのような小さな謎の生き物は、童話としてのムーミン以前から、ヤンソンの挿絵によく描かれていたらしい。ヤンソンが仕事にしていた新聞の風刺画の中に、ムーミンのようなものが描かれているのを見ることができる。
ヤンソン自身は非常に細かく何枚も習作を描き、本作に近いところまで仕上げる人だったようだ。習作のうちでも本番に近い方のものは、作品に採用された本番とほとんど見分けがつかない。作品の雰囲気を伝えるために、何枚も異なる構図の習作を描いて、ほぼ確定したところで、改めて本番を書き直す。物語だけでなく、イラストに至るまで作者の思い入れを感じることができた。
私はまだ全部の作品は読んでいないので、そろそろ名作と名高い『ムーミン谷の冬』を読む時期かもしれない。
あとムーミンコミックスが好きなんだよなぁ、あの変なリズムが。
ほのかなユーモアのこもった筆致を見ていたら、自分でもちょっと絵を描いてみたくなった。そろそろ苦手を克服してもいい頃かもしれない。
◆ムーミン展@大丸ミュージアム
ムーミン展@大丸東京