『ウィザードリィ』は、パソコン黎明期から今日まで続く、文字通り伝説の3Dダンジョン・ロールプレイングゲームである。
私のウィザードリィは、1冊の本から始まった。
→ウィザードリィ – Wikipedia
ファミコンで私が最初に触ったゲームは『マリオブラザーズ』ではっきりしている。
パソコンゲームでは? 今は記憶があいまいだ。友人の家で遊んだ『ザナドゥ』だっただろうか……
でも遊ぶ以前に、私の、パソコンゲーム黎明の記憶で鮮明に残っている絵がある。これだけは確か。
それは学研の学習か科学に載っていた画像だったはずだ。何年生だったかわからない。
その記事には、「パソコンゲーム」というものの存在が短く紹介されていて、「アドベンチャーゲーム」とか「ロールプレイングゲーム」とかのゲームジャンルがごく簡単に説明されていた。当時の私には、その二つがどう違うのか、どう考えてもさっぱりわからなかった。それを言うなら説明文もかなりいい加減だったが、それはまぁキッスを言葉で書きあらわせと言ったって無理だから。ゲームをやったことのない小学生にゲームジャンルを説明してやっても無理だ。そういったものはほかにもまだ二、三あるが。
その「アドベンチャーゲーム」の項で紹介されていた画像に、引き込まれたのを覚えている。
当時のパソコンの荒いドット絵だが、でもモノクロではなかった。カラーだった。緑色の画面だった印象がある。ローブを身にまとった一人の魔術師があやしくたたずんでいた。たぶんアドベンチャーゲームのスタート画面だっただろう(ライターさん、手抜きはいけないよ! スタート画面なんて!)。
その絵を見た瞬間、私はのどから手が出るほどの勢いで、「パソコンゲーム」というものに憧れた。魔術が持つ妖しい香りを、そのイラストに感じた。その強烈な印象を30年経った今も忘れない。
その後、どんなにネットの海を探しても、あのときの画像がどこのなんというゲームだったのか、探し出せずにいる。もしかしたら、見てもわからないかもしれない。
私の中のパソコンゲームに関する刷り込みは、その緑の魔術師で始まった。だから、無条件に魔術師が登場するものには弱い。(ゲームブック『火吹山の魔法使い』にとびついたのも同じ理由だ)
前置きがずいぶん長くなったけれど、『ウィザードリィ』である。英語で書く方が本当は好きだ。それもセリフの付いたお洒落なフォントが一番いい。『Wizardry』と。
私のウィザードリィは、1冊の本から始まった、と考えられている。ゲームそのものを遊ぶよりも前に。それはたぶん、『ウィザードリィ モンスターズマニュアル』だったはずだ。(それとも、『プレイイングマニュアル』だったかな? いやたぶんこっちだ)
この本がどのように私の目に触れたのか、今となってはわからない。そもそもあの本を所有していたのだろうか? それさえ曖昧だ。書店で当時傾倒していたゲームブックの棚を見ていて、たぶん、手に取ったのだろうということはわかっている。
→20年目の邂逅 ― 「ウィザードリィ・モンスターズマニュアル」 (その2):Runner’s High!:So-netブログ
最初のうちは、この本がゲームの情報本だということに気づかず、『モンスターコレクション』のような、読み物の一種だと思い込んでいた。今でもこの本に書かれた文章の雰囲気は記憶に残っている。文章の細部までは無理だが。
ゲームがなくても面白いゲーム情報本というのは、巷に皆無ではないが、なかなか無い。そういう意味でこの本はまぎれもなく名著である。
たぶんもうちょっと後になって、『ザナドゥ』を遊んだ友達の家で『ウィザードリィ』を遊んだ。キャラクターの首をはねられるたびに5インチのフロッピーディスクをよく引っこ抜いたものだ(当時はフロッピーにデータを保存していたので、フロッピーを引き抜くことで強引にキャラクターの死亡を阻止できた)。
そしてファミコンでも遊んだ。あれがやはり一番遊んだ。さすがにもうROM内のバッテリが生きてはいまいから、あのキャラクターたちはロストしていることだろう。残念なことだ。
実は、神ゲーとして挙げる割には、私はこのシリーズを遊んでいない(私は大好きなものでもそれほど熱中せず投げ出してしまうことが多い)。#2以降のシナリオも、外伝も、Windows版も、まったく触っていないのだ。にもかかわらず、真っ暗な迷路が想像力に訴えかける力は、今もなお強い存在感を放っている。その想像力を活き活きと補強してくれたのが、先の一冊だ。
何年も後になり、私の友人は「ウィザードリィの中の人」となった。当時同じ時代でファミコン版を遊んだ友人が、今やゲーム提供側に回るというのは、実に感慨深い。
→Wizardry Online ~汝、死忘れるなかれ~
このように、私のウィザードリィは、1冊の本から始まった。ちなみに言うと『ドルアーガの塔』も同じだ。一冊の本から始まっている。けれどもこれは別の物語、いつかまた、別の時に話すことにしよう。
出たぁぁぁぁ!オレもこの本は、ボロボロになるまで読んだわー。これ以外に最も読み込んだのは、ベニー松山の「ウィザードリィのすべて」という本でした。本家のイラストよりも、ファミコン版の、末弥純のイラストのほうが数段魅力的だったな。
当時、ロバート・ウッドヘッドにもらったサインは我が家の家宝です(その存在は嫁には内緒)。
ドルアーガは、創元推理文庫のゲームブックから始まったんじゃあるまいか。
あの本すげー読めるんだよな、読み物として。
末弥純氏のイラストは、影響大だね。上記記事に登場する中の人も大好きで、仕事頼んでた気がす。
ろ、ロバート・ウッドヘッド……てお嫁さんにはちんぷんかんぷんだろうな(笑)
ドルアーガは、残念違います。ゲームブックはそんなに好きじゃなかった(笑)
ベニー松山といえば「隣り合わせの灰と青春」が本棚のどこかにある。FCの#1は自分もLv100だか200だか位は行ってたけど、高校の友人がLv012とかいってたのが今でも記憶に残ってる。(1000超えて桁あふれしてる)
Lvどこまで逝ったか全然覚えてないな……
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