『プロップサイクル』は、夢の「空飛ぶ自転車(または人力飛行機械)」を実現した大型筐体の体感ゲームである。プレイヤーは自転車を漕いでプレイし……空を飛ぶ!
→アミューズメントマシン|プロップサイクル
→プロップサイクル – Wikipedia
■空想してから寝て下さい。
ゲームが実現してくれる人類の夢というのは何種類かある。飛行機を操縦してみたい(フライトシミュレーターの基本)とか、宇宙パイロットになってみたいとか、ロボットを自在に操作して戦いたい、とか、ファンタジーの世界に入り込んで冒険したい、とかいったようなことである。2Dゲームの時代には夢想に過ぎなかった「仮想空間」は、ゲームが3Dになってイメージしやすくなってきた。
さらに、画面だけでそれを実現するよりも、実際のメカとか小道具が伴ってくるとこれは俄然リアリティが増して、嬉しい感じがしてくる。『鉄騎』『戦場の絆』などはメカメカしいコントローラーや筐体によって、その魅力を増している。コックピットに座ってロボットを操作したいという少年の欲求に見事に応えているのだ。
そういった「空想実現」系のゲームの中でも飛び抜けて個性的で、夢があるのがこの『プロップサイクル』だと言えよう。人力飛行機械「ラペロプター」の登場である。
■翼よ! あれがパリの灯だ! いいから漕げ!
プロップサイクルは大型筐体ゲームなので、ご家庭でお目にかかることはない。もっぱらゲームセンターで遊ぶものだ。自転車型の筐体にまたがってプレイする。自転車型の筐体っていうか、アレだよね、エアロバイク。飛行だけにエアロ。画面内の主人公は人力飛行機械ラペロプターにまたがり、軽やかに断崖を蹴って飛び立つ。漕げ! 漕げ!(ちなみに、プレイヤーはスタート前からダッシュするため既に漕いでいる)
この人力飛行機械は漕げば前に進む。が、ブレーキはない(当然と言えば当然だ。タイヤもないんだから)。ハンドルを上下左右に切ることで、上昇下降・旋回することができる。制限時間内にステージ上の風船をすべて割ることができればステージクリアだ。
断崖に囲まれたステージでは、壁にぶつからないように慎重に(しかし迅速に)進まなければならない。ぶつかればピヨピヨとひよこが頭上を飛び回りタイムロス。スピードも一気に落ちてしまう。一度スピードが落ちてしまうと、かなり頑張って漕がなければ元の速度には戻れない。そう、このゲームはミスをせず、かろやかに滑空することをプレイヤーに期待する。そのためにはマップを把握し、風船の場所を覚え、高きから低きまで効率よく風船を割り、速度を落とさずに飛ぶ「一筆書き」のルートを知っていなければならない。マップに表示されない隠し通路で近道をするといった心憎いギミックもある。
狭い狭い断崖の間をかいくぐって飛び抜け、開けた広場に飛び出した時の爽快感といったらない。見ろ! あれがパリの灯だ! と言いたくなる気持ちもわかる。気分はすっかりフライヤーだ。
■ゲームが不健康を救う。
webで画像検索すると、自転車の正面にテレビモニターがつけられた筐体が出てくるが、実はこの筐体で遊んだ経験があまりない。私がよく行っていたゲーセン(たしか渋谷)には、大型プロジェクターを使った『プロップサイクル』(Wikipediaによれば、プロップサイクル・フルスケール)があって、視界が広く、普通の筐体とは気持ちよさ・ワクワク感が段違いなのだ!
そう、ワクワク感。『プロップサイクル』は、わかりやすくスポーツとゲームを融合させ、しかもワクワクするような舞台を用意してくれている。ダンス系のゲームや『Wiiスポーツ』にはそのワクワク感が足りない。そのワクワク感があればこそ、スポーツ嫌いの私が、エアロバイク大嫌いの私が、必死こいてペダルを漕ぐのだ。エアロバイクの嫌なところは、景色がまったく変わらないことだ。それくらいなら、普通の自転車の方が100倍イイ。でもこの『プロップサイクル』なら、景色が変わらないどころか! 空を飛ぶのだ、自転車が! 普通の自転車の100倍イイ!
ゲームと英語、ゲームとスポーツ……やりたいことはゲームと組み合わせるのが私のモチベートには合っているらしい。これがゲーミフィケーションというやつか。
もしも私がマイケル・ジャクソンで(アオ!)、自宅にゲーセンを作れるなら(というかスペースさえあれば)健康維持のために『プロップサイクル』のフルスケールが1台欲しい。ステージも4つとか言わず、もっとたくさん作ってほしいなー。
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