『スターラスター』ナムコ(FC) #自分にとって神ゲーだと思うのを紹介していこう

『スターラスター』は私の大好きな、ファミリーコンピュータ時代の最高の3Dシューティングゲームである。広大な宇宙空間と宇宙戦闘機のコックピットをリアルに表現し、全方位に自由に進むことができた、恐ろしいほどハイレベルなゲームである。

スターラスター – Wikipedia
スターラスター アドベンチャーモード クリア (解説付き) 1/3 – YouTube
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■3D主観視点シューティングの名作

3D主観視点への憧れは、ゲーム文明(?)のかなり早い段階から存在した。何万年か前に描かれたアルタミラの壁画にも、精密な『ブラックオニキス』の3Dダンジョンが描かれている。こうした事例は、『Wizardry』の3Dダンジョンが線画でないとキレるファンとか、その続編『ポートピア連続殺人事件』で壁を叩きまくりながら進むファンの奇態からもうかがい知ることができよう。

小学生の私も、当時のゲーム大好きオタク少年の例に漏れず、妄想の中でゲームを楽しんでいたが、一番お気に入りの妄想は、やはり3D主観視点のゲームであった。俺がゲーム会社にいたら、超ものすっごいゲームを作ってやるのになぁ!(注:小学生はゲーム機の限界とかプログラミングの難度とかわかってません) ここでこうしたらこんな感じで、こう、こうやってこの敵をこう! バキューン!(発射音) グイーン!(旋回音) ドンドンドンドン!(発射音2) バシュバシュ!(発射音3) みたいなことは、いかに人類が3D主観視点でゲームをしたかったかの現れである。なんか弾丸発射ばっかりしているようだが。

そんな少年たちの憧れを一身に背負った、「3D主観のアクションシューティング」は当時どんな様子だったか。たしかにファミコンの時代にもいろいろあった。『スカイデストロイヤー』だとか『機動戦士Ζガンダムホットスクランブル』だとか『ゲイモス』だとか、『とび出せ大作戦』ですか。いくらなんでもパッとしねぇな、おい。

じゃあ、そのうちで、360度完全に全方位に移動でき、敵と文字通りのドッグファイトを繰り広げることができたゲームが、いくつあったか。

皆無だ。いや、たった一つ……たった一つだけ、そういうゲームがあった。
そう、『スターラスター』だ! (『コスモジェネシス』はやったことがない)

このゲームこそが、ファミコンの時代に、3Dシューティングを、異常にハイレベルで実現した、唯一のゲームだということはおそらく間違いない(何度も言うけど、『コスモジェネシス』はやったことがない)。
まだ、ポリゴンの描画なんて、全然なかった時代である。本格的なポリゴンの描画は、プレイステーションかセガサターンまで待たなければならない。

■3Dレーダーの読み方がわからん!

しかし哀しいかな、当時このゲームは異常にウケが悪かった。その理由として私が推測しているのは、みんな「3Dレーダーの読み方がわからなかった」ということだ。

取説には、かなりかなり丁寧な3Dレーダーの図解入り説明と、かなり適当な「いいから黙って俺の言う通りにしろ」式の説明と、2通り用意されていた。にもかかわらず、私と2人の友人たちは、このレーダーの読み方が少しも理解できず、友人たちはプレイを投げ出してしまったのである。レーダーが読めないことのデメリットは当然一つや二つではないが、なんといっても、基地に戻ることができない。目的の惑星にたどり着くこともできない。これでは任務の遂行は不可能だ。

あの日のことを今でも覚えているが、私は画面に表示される敵の動きと、レーダーに表示される光点の動きを照らし合わせ、必死に状況を分析した(注:ここから俺、賢かった的な自慢入ります)。そして次第に、レーダーの逆三角形が自分の視界を表現していること、上下に軸がズレ過ぎている対象は、光点が逆三角形の中にあっても見えないこと、上下旋回すれば軸がズレている敵を正面に持ってくることができること……を理解した。そしてついに、私が、この私が、自力で基地への帰還を果たしたのである。ごめんよララァ僕にはまだ帰れる場所がある……いやまだ始まったばかりだからこのゲーム。補給基地に戻っただけで達成感味わってちゃいけねぇ。幾何学や立体空間を理解しないと遊べないという、実にハードルの高い3Dシューティング。

だがそれもいたしかたないと言えよう。だって、夢の全方位3Dシューティングである。プレイヤーが、まるで宇宙戦闘機のパイロットの気分を味わえるソフトなのだ。自由度が高い分、それだけの理解力をプレイヤーに要求せざるを得ない。エースパイロットへの道は平坦ではないのだ。

私は少年時代このゲームを所持しておらず、友人の家で無事基地に帰還して以来めちゃくちゃハマった。が、当時の私が入手できるゲームは予算的に限られており、それでいて気になるソフトの数は多すぎた。結局私がスターラスターを入手できたのは、数年後、たぶん、高校生。その頃にはこのソフトは暴落しており、私はたったの50円でこのソフトを入手した(ほくほく顔は想像して頂きたい)。その後、再評価されたのか値段は持ち直し、50円ということはなくなったが、それだけこのソフトがハードル高かったということなのだろうと思う。

■深遠なる宇宙に挑む!

当時のファミコンゲームには、異常に薄っぺらな内容のないソフトと、異常にボリュームたっぷりの「一度始めたらクリアするまで2時間は覚悟しなければならない」ソフトが共存していたが、この『スターラスター』はまぎれもなく後者であった(もちろん名作は後者に多い)。なにせセーブとかパスワードとかもまだあまり浸透していなかった時代である。

親切なことに、『スターラスター』は気軽に遊べるTRAININGモードから最終ボスに続くADVENTUREモードまで、3種類のモードが用意されていた。遊んだのはひたすらADVENTUREである。このモードだと、7つの惑星を保護しつつ敵を7部隊殲滅し、惑星から情報を入手し、敵の暗黒惑星に挑まなければならない。細心の注意を払ってミスなく進めなければ、とうてい暗黒惑星にたどり着くことはできない。ちょっとでもミスすればドーン!ガガガガ…悲壮なBGMが鳴り響き、ご丁寧に自機が砕け散るシーンまで見せつけられてゲームオーバーだ。挙げ句「ミトコンドリア級」という不名誉なレッテルまで貼られて評価される始末。ゲームスタートから暗黒惑星破壊するまで、長かったなぁ。何時間くらい宇宙戦を続けたんだろうか、おれ。よく集中力もったな。途中でポーズできたとはいえ。

コクピットの色を変えられるという芸の細かい隠し技を始め、各種の機能不全光子魚雷による敵の殲滅、小惑星群に隠された秘密……など、盛り込まれた要素の多さには舌を巻く。

このゲームが表現していた宇宙は実に広大で、ワープによらなければ宙域をまたいで移動することはできない。どんなに速度を上げてすっ飛ばしても、隣の惑星にさえたどり着けない。逆に敵の攻撃でリアクターをやられてしまうと、おそろしく低速でしか航行できず、同じ宙域の基地に到着するだけでもたいへんな時間がかかる。この深淵なる宇宙空間で、ぼんやりと、きらきら光る星を眺めながら、基地を目指して進むのが、本当に宇宙の迷子になったパイロットの気分が味わえた。それは、大宇宙にたった一人の、孤独な闘いなのだ。

今にして思えば、これを『R360』筐体に搭載したらどんな心躍る……いや、吐くなそれは。

sega r360 – Google 画像検索

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