『パネルでポン』は「任天堂!」が作った、至高のアクションパズルゲームである。いわゆる「落ちモノ」だが、ブロックが下からせり上がるので「落ちモノ」という呼称もどうかと思う。お邪魔ブロックは上から落ちてくるからまあいいか。略称『パネポン』。横井軍平作品の一つとして語られることが多い。
うっかりすると朝までプレイしてしまう中毒性の高さが危険である。
→「パネルでポン」ホームページ/トップページ
→パネルでポン – Wikipedia
→パネルでポン 普通に15連鎖してみた – YouTube
■任天堂!
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私が初めて『パネポン』をプレイしたのはスーパーファミコン版だが、私がリアルタイムに発売時期にこれを遊んだわけではない。実を言うと、社会人になるまで、私はほとんどスーパーファミコンに触ったことがなかった。私が初めて『パネポン』を見たのは、私が所属するゲーム誌編集部の若き貴公子?Y氏がプレイしているのを見た時だったはずである。Y氏ははにかんだ雰囲気の美青年だったが、その外観からすると驚くほどのコアゲーマーで、特にアクションゲームにおける実技では編集部の中でも上位に入る実力の持ち主であった。普段は温厚ではにかみがちな彼が、ゲームにおいては豹変し、小学生のような負けず嫌いを発揮するというのも、ゲーム誌編集部らしい特質であったと言えよう。
その彼がよく遊んでいたのが『パネポン』で、編集部の中では「ああ、また彼は『パネポン』やってるね」といった具合に、このゲームは名作として常識の部類に入れられていた。見よう見まねで始めた私も、ものの見事にこのゲームにのめり込んでいった。ただ、私がY師匠に戦いを挑めるようになる前に、Y師匠は編集部を去ってしまったので、今となっては、彼の実力がどれほどのものだったのか、わからない。ただH編集長が口癖のように言っていた「Yに『7連鎖作って』って言ったら、『あ、はい、できました』ってあっさりやってみせるんだもの」という伝説だけが残っている。
Y師匠以外でも、あまり広く対戦をしたことがないんだけれど、これについているコメントを見る限り、俺ってまぁまぁ強かったんじゃないかと思う。コンスタントに15連鎖は無理だが、何回かやっていれば、これに近いところまでは行ける。
■刹那
落ちモノゲームのご多分にもれず、このゲームも最初は何をやっていいかわからない。けれど、やればやるほどおもしろくなっていく。ルールは単純なようで、無限のバリエーションがあり、自由度が高い。特に奥が深いのは「シビアなタイミングをものにすることさえできれば、一級上のプレイが可能になる」というところだ。「ブロックの落下が始まり、着地するまで」のほんのコンマ何秒か――に、どれだけの操作をできるかが、このゲームの勝負である。超上級のテクニシャンは、落差ゼロのはずのブロックの「落下が始まり、1ブロックも動かずに、着地するまで」の刹那にさえ、下のブロックを入れ替えて連鎖を作る。このゲームの上級プレイに要求される集中力は並大抵のものではない。落下から落下までの瞬間、瞬間に、脳内ではアドレナリンが出まくり、ブロックの動きの組み合わせを無数に演算し続け、一秒を無限に感じるほどの処理をする。
そして用意されたゲームモード自体も、その奥深さにふさわしい。プレイヤーが一人でCPUと対戦するモードでは、プレイヤーはまずEASYからプレイし、NORMAL、HARDと進む。これだけでも、CPUとの勝ち抜きを延々勝ち抜いていかねばならない長い道のりだ。ところがHARDモードが終わった後にはS-HARDモードが待ち構えており、人外の戦いが待っている。このS-HARDモード後半のCPU対戦を一般人が見ると、もう何がなんだかわからない。あまりの反射神経についていくことができない。まさに人外といえよう。
■待ち時間ゼロ
スーパーファミコン版のいいところは、待たされないというところだ。ニンテンドー64やゲームキューブでは、ソフトが光学式ディスクになっていたため「読み込み」の時間がどうしても発生する。スーパーファミコンのROMカセットではそれがない。やりたくなったらポンと差し込んで電源を入れる。プレイが終わると間髪いれず「CONTINUE?」の選択肢が出て、何も考えずに「はい」の決定ボタンを押してしまう。この「待たされない」感覚が心地いいのだ。快適なのだ。うっかりすると、朝を迎えてしまうのだ、ちょっと暇つぶしのつもりで始めたのに……。
花の妖精をモチーフにしたキャラクターは、任天堂らしさからは外れているとも言われるが、見た目かわいらしいドット絵で私は好きだった。スーパーファミコン版以後に発売された『パネポン』シリーズではあまりこのキャラクターを採用しておらず、私としてはやや不満である。ゲームキューブソフト『NINTENDOパズルコレクション』では後継キャラクターが登場しているんだけど、これも絵が微妙に違っていて私の好みではない。
というわけで、スーパーファミコン版が私の中では至高である。Wiiの「バーチャルコンソール」では至高のスーパーファミコン版を遊べるらしい。
→VC パネルでポン
Wii買ったらおれ廃人確定だな……。
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