Enchanterはモノに“歴史”を付与する――表参道「Pass the Baton」


PASS THE BATON なう。「Pass the Baton」
は簡単に言えばリサイクルショップ、アンティークショップなんだけれど、そのコンセプトが面白い。商品タグには提供者と品物の由来が書かれている。「Pass the Personal Culture」とキャッチコピーにはある。個人の文化を、リサイクル品に託す。

→PASS THE BATON

 

「モノに付加価値を与えるには、どうしたらいいか?」ということに対する一つの答えが「Pass the Baton」であろうかと思う。それは「モノに歴史を付与する」という形で実現される。

以前紹介した古書店「One And Only Books」も似たような発想だと気づいた。
古書店「One And Only Books」に、手製のブックカバーを残してきた – Mo-lg

モノの価値そのものを高めることは、なかなか難しい。でも、歴史を加えるということは、もしかしたらできるかもしれない。無形の価値を加えるということなら、ほんの一手間だ。ただ、そのほんの一手間、をどうやって演出し、仕組みにするか、そのデザインが腕の見せ所になる。
通常のアンティーク・ショップは時間をかけることでその価値を加えていく。何十年という時間をかけてモノが生き延びると、そこには歴史が加わり、価値が深まる。しかし、そんなには待っていられないね? そこで、少々時間を節約して、モノに歴史を付与するというのが、こうしたリサイクルの発想であろうかと思う。

今回、表参道ヒルズのPass the Batonを見て面白かったのは、顔面よりも大きな、平べったいフライパン。大小あるけれど、一番小さいやつだって家庭用のフライパンよりずっと大きい。タグを見ると某フランス料理のシェフが、フランスの仕事先(ホテルだったかな)のまかないで使っていたものらしい。そういえば、フランスのモン・サン・ミシェルのトレードマークになっているフライパンもこんな薄平べったい形をしていたなぁ。1本値段を見たら4000円と書いてあって、まぁ。
意外とお金のかからない、フライパンなのです! ビンゴ。
いや買わないけどさ。でも、面白いじゃない。モノに歴史が加わるって。

ただの大きなフライパンなら、興味も持たない。でも、フランスの料理人たちにまかない飯を作ってきた歴戦のフライパンなら、ちょっとワクワクする。
これが「Pass the Baton」の魔法なのだと思う。

あまりに店内にたくさんのモノがあり、以前お店のスタッフに「どこまでが展示でどこまでが売り物なのかわかんないね」と言ったら「目に見える限り、ほとんど全部売り物です」と教えてくれた。そう思って店内を見渡すと、またちょっと見え方が違ってきて、ワクワクする。

 

Enchanterはモノに“歴史”を付与する――表参道「Pass the Baton」

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