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汝の云(い)うその南山の竹に矢の羽をつけ鏃(やじり)を付けてこれを礪(みが)いたならば

汝の云(い)うその南山の竹に矢の羽をつけ鏃(やじり)を付けてこれを礪(みが)いたならば、ただに犀革を通すのみではあるまいに ――中島敦「弟子」より 子路が言う以下の問いかけに対しての返答。 南山の竹は揉(た)めずして自ら

丑の話

今年は丑が帰ってくる。僕がそんな噂を聞いたのは年の暮れも押し迫った時期のことだった。 2、3年前だったか、丑は突然「仲間の丑たちに囲まれた閉鎖的な暮らしにうんざりした。誰にも邪魔されず余生を送りたい」と言い残してどこか地