『約束の旅路』


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エチオピア系ユダヤ人、という人種を生み出した「モーセ作戦」と、そこでユダヤ人になった少年の生活を描いた作品。
以下ネタバレ。


聖書の記述によれば、かつてモーゼと友に放浪した12部族の一つがアフリカに残ったされている。その記述に基づいて、エチオピアに残ったユダヤ人を捜してイスラエルに連れ帰る……という作戦が実施されたことがある。これが「モーセ作戦」と呼ばれるもの。

映画の中では、ユダヤ人かどうかの確認がいたって不正確であった事から、貧困にあえぐエチオピア人たちが名前や経歴を偽り、ユダヤ系を装ってイスラエル移住をした様子が描かれている。主人公の少年もユダヤ風の名前を教え込まれ、母親と別れてイスラエルに移住する。新しい家族とイスラエルでの生活を重ね成長する少年は、自分の来歴を詐称したという罪悪感や、移民への差別、母親への思慕の念に悩まされる。

最後、エチオピアに戻った彼が母親に再会するシーンで終わるのだが、この後どうなるか。彼は母親を連れてイスラエルに戻りたい、とは思わないのではないか。

宗教が生み出した一つの歪みが、社会に、そして個人にどのように波及し、人生を変えてしまったか、ということを描いた、面白い作品だと思う。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
イスラエルが行った実在の難民移送作戦“モーセ作戦”を題材にしたヒューマンドラマ。ユダヤ人と偽り、スーダンの難民キャンプからイスラエルへと脱出した 9歳のエチオピア人少年。真実の名前を隠し新しい土地で生きる少年の葛藤と苦難の人生を描く。

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