Q(ku:)(くう)ライヴ@赤坂ポートカフェ


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私が好きな音楽にはいくつかの類型がある。どの音楽にもそれぞれいいところがあって、どれが一番だなんていえない。

たとえば、鈴木祥子b-flower中島みゆきUp-Beatのように文学的な風合いを持った音楽も好きだし、zabadak谷山浩子遊佐未森のようにヴィジョンを持った(この場合は美しい絵を見せてくれる、というような意味の)音楽も好きだ。

そういった私の好きな音楽の一類型に「自由な音楽」がある。矢野顕子さねよしいさ子原マスミなどがここに分類されている。素肌のように音楽を身につけ、鳥のようにナチュラルに歌うことを暮らしとし、リズムは守るものではなくて探るものだ。按摩が気持ちいい場所を探すように、リズムも気持ちのいい場所を探すのだ。

Q(ku:)(=芝田吾朗&ぴあぴ)の音楽は、私の中で、まぎれもなくこの「自由な音楽」の類型に属する。


うちのカミさんは(自分で呼んだくせに)心配していた。「こんな小さなお店でやってくれるかしら」「PAもないけれど、大丈夫かしら」 私はむしろ、こんな場所で喜んでやってくれるのは、Q(ku:)くらいかもしれないなー、と考えていた。少なくとも、僕のどの友人よりも、引き受ける確率が高そうな感じだった。「お店が小さいから」とか「PAがないから」という理由でQ(ku:)に断られるなんて、まず、考えにくいと思っていた。
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案の定、彼らは軽々と僕の予想を越えた。お店を見せて「ステージはどっちにしますか? このテーブルをこっちに寄せるとか……」と言いかけた僕に「ええよええよ、このままで」とごろしばさんは答えた。あ、そうすか?、とあっさり引き下がろうとする僕を見て、あわててカミさんが食い下がった。
「前回のトークショーの時にはこの椅子を減らしたんですよ」
Q(ku:)の二人は「ん? まだなんかあるの?」という感じで目をぱちくりさせている。仕方がないので、僕がとりなす。「前回のトークショーの時にはこの(背中向きの)椅子を3つ減らしたんですよ」と彼女の言葉を伝える。ごろしばさんは「ええよええよ、このままで」と繰り返した。普通のお客さんみたいにテーブル席に座ったまま、「むしろ、うちらがどこにいるか、わからんくらいで」とのたもーた。

カミさんが義妹を紹介し、店の“チャイマスター”であることを説明すると、ごろしばさんは大喜びで「スペシャルチャイください」と注文した。「作るのに15分くらいかかるんですよ」と私は説明した。開演まであと5分くらいしかない。「あ、いいですよ。本番中に飲みますから」という返事が帰ってきた。

じゃあ、まあ、いっか。
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定刻になり、僕が開演を宣言しても、彼らは相変わらず普通のお客さんみたいに座ったまま、お茶をすすっている。どーすんだろうと思っていたら、「じゃあ1曲目は、発声練習からいきますか」「ボイストレーニングの授業で生徒さんに毎回やってもらってるんですよ」「よければみなさん一緒にどうぞ」「いつもの3分のやつ」とぴあぴさんのケータイのタイマーを3分にセットして、発声練習を開始した。それが終わると、2曲目はウクレレのチューニングだった。

以前、小山田圭吾が自身のライヴで、ギターのチューニング変更をステージの一部であるかのようにやってのけた、という話はM嬢から聞いたことがあったけれど、発声練習とチューニングを、開演後に、普通に客の前でやってのけたバンドは聞いたことがない。しかも客にも発声練習までさせちゃって。
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それからやっと普通の演奏が始まる。たぶんセットリストとか、打ち合わせとか、あんまなくて、その場の流れとか、ひらめきとか、MCの雰囲気で曲を決める。たぶん二人は、曲名を紹介するとか、曲順を決めてその通りに繰り返すとかいうのは無粋だと思っているのではなかろうか。だから「じゃあ次の曲に……」なんてお仕着せのセリフは出てこない。ぴあぴさんがいつもごろしばさんに言うセリフはいつも「さ、次は何やりましょうか」だ。

「うーん、あれいこか」そう言って、ごろしばさんがギタレレをじゃらん、と弾く。コード当てクイズみたいなもんで、ぴあぴさんが「それ?」と首をかしげながらウクレレで加わる。いつも、その時にやりたい曲をやる。それでいて、絶妙のハーモニーが気持ちいい。

アレンジも、けっこう変わる。昔聞いた歌を超スローでやっていたり。
終わる時もリフレインが何回あるのか、たぶんお互いの演奏を聴きながら、声を聞きながら終わりが決まる。どう終わるのかはその時次第だ。

運ばれてきたチャイをひとしきり褒めちぎってから、また歌う。

幕間に「あのアレ、いつもの」「ああ、いつもの」「あなたが“ソロで歌う”ヤツ」と言い出すのは、即興でやれという符丁だ。今回は「もがみさんの歌」「赤坂ポートカフェの歌」「SEとは/コーラをガブ飲み」が登場。むちゃくちゃおもろい。

1stステージと2ndステージの間にみんなでランチを食べた。その時に、Q(ku:)の二人の会話を小耳にはさんだ。
「あのな、今日“ストロベリー”やりたいねん。弾ける?」「うん、ええよ」

2ndステージで「ストロベリー・ヒーリング」を歌い出した時に、やっとわかった。あれがたぶん、2ndステージに関する唯一の、打ち合わせだったのではなかろうか。

その他、本番中に起きたこと。

・客をいじっていたらギター弾き語りをやる人がいることが判明。目を輝かせたごろしばさんがギタレレを渡し「一曲やって」とせがむ。ホントにお客さん(山下まさし氏)が「バイバイばい」という歌を演奏。みんなで拍手喝采。
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・演奏中に廃品回収が店の前を大音量で放送しながら通る。音が聞こえた瞬間、ごろしばさんがギタレレを弾いたまま店のドアを開けて出て行って、廃品回収のおっさんに挨拶。戻って来て呵々大笑。「コラボのつもりやったんやけど、気ぃ使ってもろて悪いことしたな」
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・本番中にぴあぴさんが中座。「先に始めといて」と袖に消える。ごろしばさんが一人で弾き始める。曲が半ばを過ぎた辺りでぴあぴさんが戻ってきて、何事もなかったかのようにコーラスに加わる。
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私は自由な音楽が大好きだ。自分までほっとする。
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赤坂港カフェ / 赤坂ポートカフェ 【 CAFE / SCHOOL / MUSIC / ART 】東京都港区 赤坂・六本木
3/29 Q(ku:)  ライブ@ 赤坂港カフェ / 赤坂ポートカフェ(告知)
ゴロー☆スペシャルデラックス●Q(ku:)芝田吾朗 日誌●
◆Q(ku:)◆唄うたいぴあぴの日常◆アメ村でボイスメンタルトレーニングやってます ごろっぴあで検索してね
【2009.05.30追記】
動画がアップされてました。
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